やはり・・・大七車の塗り 番外編

2014.05.07 Wednesday 20:34
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    やはり・・・嫌な予感が的中。
    4月30日に塗った方は、流れて「タマリ」ができ、5月1日に塗った方は、ひどい「チヂミ」が出ていた。恥ずかしながら、見事な失敗である。

    その原因は、漆の調整ミスと、厚く塗りすぎたことによる。
    ずっと乾燥注意報が出ていたため、漆が乾かない事ばかりを心配していたが、雨が降って急に蒸し暑くなり、逆に漆が早く乾きすぎてしまった。天気を完全に見誤ったのだ。

    とりあえず応急処置として、一昨日、チヂミのひどく内部の膿んでいる箇所を、へらで剥いておいた。そしてきょうから全部を研ぎ直す作業を開始。

    予定より手間がかかることになったが、その分、塗る回数が増えて表面がなめらかにはなる。こうした仕事に失敗はつきものだが、その失敗を逆手にとって、より良いものに仕上げればいいのだ・・・などと、負け惜しみを言うことばかり上手になったなあ・・・。(^_^;)




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    大七車の塗り作業 その13(溜上塗り)

    2014.05.01 Thursday 22:20
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      大七車の塗り その13「溜上塗り」(ためうわぬり)。
      いよいよ大詰め。阿弥陀骨と玉木に溜漆(ためうるし)を塗る。
      「上溜」(じょうだめ)という、溜塗り専用の透明度の低い漆だ。

      表と裏から、二人での共同作業。
      隙間が狭く、漆もすぐ堅くなるので、とても塗りにくい。

      片輪21本で2時間。けっこうの量だ。
      ずいぶんと「色」がついたが、果たしてうまく乾くだろうか。
      塗っている最中、作業場に2羽の鳥が舞い込むというハプニングもあった。
      なにやら不吉な予感がする・・・。(^^ゞ





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      大七車の塗り作業 その12(中研ぎ)

      2014.04.26 Saturday 22:24
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        一昨日塗った黒中塗り漆は、きれいに乾いた。
        中塗り漆は油分の入らない漆なので、乾くと艶が引く。
        きょうはそれを研ぐ「中研ぎ」だ。



        使うのは、「駿河炭」と言われる漆専用の木炭と、中研ぎ用の砥石(三和の800番)。
        炭は水をつけて中砥に擦り合わせて修正し、常に研ぐ面を平らにして使う。エッジは丸くする
        擦り合わせた時の磨ぎ汁が、良い研磨剤ともなるのだ。
              ↓


        研ぎ面にぴったりと当て、たっぷりの水で円を描くように、漆の面とお互いに擦り合わせるように研いでいく。
               ↓


        面取りをしたところは、砥石を使う。
             ↓




        ある程度研いだら、ボロ布で水分を拭き取り、研げた部分とまだの部分を確かめる。
                ↓


        あまり研ぎ込むと、下の錆が出てしまうので、80パーセントくらいで止めておく。
                 ↓


        「玉」の部分も溜漆を塗り直すため、耐水ペーパーを砥石に巻いて軽く研いでおく。
                ↓


        時々、町内の若い人たちが様子を見に来て、差し入れをしてくれる。
        先日は高橋秀樹君が、きょうは、山ノ井道夫君が来てくれた。お茶の差し入れ、ありがたくいただいた。こういう心遣いがとても嬉しい。
        いろんな人たちの想いや厚意が、漆といっしょに塗り込められて、車は仕上がっていくのだなあ、と実感する。
               ↓


        2輪、裏表の中研ぎが完了。所要時間:2時間半×3日。
               ↓
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        大七車の塗り作業 その11(中塗り)

        2014.04.23 Wednesday 22:31
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          双方の車の地研ぎを終え、きょうは中塗りだ。

          折よく、昨夜から今朝にかけて雨が降り、村上地域に出されていた乾燥注意報も解除になった。
          漆を塗るには最適の条件である。

          まずは、塗ろうとする輪木を「タッククロス」という粘着性の拭き布で拭き、表面についたホコリや汚れを除去する。
                 ↓


          塗るのは、黒中塗り漆。油分が入っていない乾燥の早い漆だ。
          家で漉し、チリを除去してきた。もちろん刷毛も漆で洗って、へらで突き出し、毛の中に残っているゴミや油分を除いてある。
                ↓


          まずは、弾力のある幅の広いへらで、全体に薄く漆を引く。できるだけ厚みが均一になるよう、縦横にならす。
                     ↓


          縁(へり)の部分などは、刷毛に漆をつけて、エッジにしごくように漆を渡す。
                    ↓


          最初は縦に、次は横に順々に刷毛を動かして、均一の厚さになるよう漆をならしていく。
          漆の中に含まれている溶剤が揮発し、漆は堅くなるので、刷毛を持つ手に力を入れてしっかり支え、角度を一定にして塗らないと、ムラが出てしまう。
                   ↓


          溝などの細かい部分も気を抜かずに。また漆がたまらないように注意して塗る。
          ホコリなどのチリを見つけたら、刷毛の先で拾い上げて除去し、再度表面をならす。
                    ↓


          表が終わったら、裏を塗り、手早く作業を進める。
             ↓


          4面ともできあがり。所要時間:2時間半。これを2日くらい放置して乾かす。
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          大七車の塗り作業 その10(地研ぎ)

          2014.04.18 Friday 23:23
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            昨日、もう片方の車の「摺りうるし」を終えた。
            きょうは、その研ぎ、いわゆる「地研ぎ」(じとぎ)の作業だ。

            けれど、昨日つけた漆は、まだ完全に乾いていなかった。
            なにしろ、村上地域には「乾燥注意報」が出続けなこの頃なのだ。
            「乾燥注意報が出ているのに、乾かない?」と不思議に思う方もおられるだろうが、漆は湿度が高くないと乾かない。75〜85パーセントの湿度が最適なのだ。

            それできょうは、一昨日つけた車の方だけ研ぐことにする。
            使用するのは、三和の800番砥石。
                 ↓


            砥石に水をつけて、少しずつ研ぐ。研げたところは艶が消え、白くなる。
            あまり研ぎ込むと下の錆や木が出てしまうので、ほどほどに50パーセントくらいで抑える。
                 ↓

            輪木全体を研ぎ終えたところ。骨の部分は研がない。所要時間は1時間半。
                ↓
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            大七車の塗り作業 その9(摺りうるし)

            2014.04.16 Wednesday 20:46
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              きょうの作業は「摺りうるし」だが、それに先だって父が、製作と塗りを行った職人の名前と製作年月を、車の裏の方に墨で書く。組み立てると屋台に隠れて見えないが、車を外すと読める位置だ。


              摺りうるしは、まずは骨から。
              何も加えない生漆(きうるし)を、へらと刷毛を使って、しごくように摺り入れていく。
                     ↓


              きょうは、父も作業に参加。
                  ↓


              骨の4面に、漆をまんべんなく摺り込むには、なかなか骨が折れる。
              骨が折れちゃいけないんだけど・・・(笑)

              次に、ボロ布で全面を拭く。
                  ↓


              骨の摺りうるし完了。先に引いた紅柄砥の粉(べんがらとのこ)が漆で定着し、良い色に染まった。
                  ↓


              次に、輪木の摺りうるし。
                  ↓


              漆を引くと、錆の面がしっとりと濡れたようになる。
                    ↓


              輪木は拭かずに、そのまま乾かす。摺りうるし完了。
              きょうの作業は、片輪のみ、所要時間は2時間半。もうひとつの車は明日。
                   ↓


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              大七車の塗り作業 その8(こくり)

              2014.04.14 Monday 20:39
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                きょうの作業は、先回紅柄砥の粉をつけた骨の部分を、ボロ布でこすり、余分な砥の粉を拭き取る。
                俗に「こくり」と言われている作業だ。

                なぜこれを「こくり」などと言うのだろうか・・・?
                たしかに桜が咲くほどの暖かな陽気だ。居眠りもしたくなるが、その「こくり」ではない。

                この地方の方言に「こくる」という動詞がある。
                別に「アイ・ラブ・ユー」と言ってるんじゃないよ。
                ものを強くこすることを「こくる」というのだ。これはたぶん、そこから出た言葉なのだろう。

                これをやると、表面に少し光沢が出てくる。作業所用時間は約40分だった。
                        ↓


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                大七車の塗り作業 その7(紅柄砥の粉引き)

                2014.04.11 Friday 20:26
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                  きょうからは、阿弥陀骨(車軸)の塗りに入る。

                  最初は「紅柄砥の粉」(べんがらとのこ)を引く作業だ。
                  細かく砕いた砥の粉と紅柄の粉を水で溶き、それをボロ布につけて、骨木を染める。
                  紅柄で色がつき、砥の粉で木の目止めがされるのだ。



                  車を回しながら、二人で裏表から同時に行い、約1時間で作業完了。
                  ぼくの手もすっかり赤くなり、洗ってもなかなか落ちない。
                  老人性のカサカサの手も、赤く目止めされたようだ。



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                  大七車の塗り作業 その6(錆研ぎ)

                  2014.04.09 Wednesday 20:45
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                    漆の仕事は、塗り→研ぎ、塗り→研ぎ・・・の繰り返し。
                    第7日目のきょうの作業は、「錆研ぎ」(さびとぎ)である。
                    輪木全面に付けた「錆」(砥の粉と生漆による下地)を、砥石で研ぎ、なめらかにする工程だ。

                    研ぐ前の状態
                      ↓


                    これを水で濡らし、砥石(三和の400番砥石を使用)でひたすら研ぐ。
                    泥をスポンジで吸い取り、研ぎ具合を確認しながら、少しずつ進める。泥が飛び散り、一番汚い作業だ。

                    研いだ面を光に透かすと、研げた部分とまだ不足の部分との差がはっきりわかる。
                    この見極めは、経験を積むことですぐわかるようになり、仕事が早くなるのだ。
                          ↓


                    研ぎ終わった面の状態。表面の水が乾くと、少し白っぽくなる。
                    手で撫でると、すべすべになったのがわかる。
                        ↓


                    この作業は丁寧に時間をかけて行うため、1日では終わらない。
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                    大七車の塗り作業 その5(切粉地研ぎ・錆付け)

                    2014.04.05 Saturday 22:19
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                      大七車の塗り、第5日目、第6日目。
                      きょうは、2度目に付けた切粉地(きりこじ)を研ぎ、「錆(さび)付け」を行う。

                      あらかじめ家で、大量に使う錆を調合していくことにした。

                      まずは、砥の粉を200グラム、盤上に出し、金槌で細かくする。
                           ↓


                      へらの腹で、砥の粉をさらにつぶす。なかなかの量だ。
                           ↓


                      砥の粉が適度の柔らかさになるまで、水を加える。
                      水の重さを量ったら、70グラムほどであった。
                           ↓


                      砥の粉が完全にペースト状になるまで、よく練る。粒が残っていないよう注意する。
                             ↓


                      生漆(きうるし)を出す。
                      量は普通は水練り砥の粉の半分、この場合だと135グラムだが、今回は1度漆が塗られた面に付けるため、少し強めの錆にすることにし、生漆の量をかなり多めの160グラムにした。
                           ↓


                      水練り砥の粉と生漆を混ぜ、均一になるまでよく練り合わせる。
                           ↓




                      錆のできあがり。これを丼に入れ、ラップで蓋をし、持参する。
                          ↓


                      錆はヒノキべらを使って、輪木全体にできるだけ薄く、均一に付けていく。
                             ↓




                      2日かけて、輪木全体にひととおり錆を付けた。
                      布を貼った部分には、2回。

                      錆付け完了。所要時間、のべ4時間半。
                         ↓


                      それにしてもきょうは、真冬に戻ったようで寒かった。
                      手についた錆漆を、ホワイトガソリンを浸した布で拭き、きょうの作業を完了。
                      2日後、これを研ぐ予定。
                       
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