過ぎゆく春

2018.04.24 Tuesday 20:55
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    2週間ぶりの投稿です・・・。


    今月は、教育委員会関連の辞令交付式に始まり、小中学校の入学式、各種の総会、懇親会、歓送迎会、新潟市の中学生の体験受け入れ、市内の高校生の訪問など相次ぎ、自分の投稿はおろか、友達の投稿をゆっくり見る時間もままなりませんでした。


    あれよあれよと思うまもなく桜は散り、周囲の風景は、新緑の季節へと装いを変えています。春の門前川と淡い緑を通して見る村上東中学校のたたずまい・・・とても好きです。


    裏庭には、今年もおなじみの花たちが・・・バイモ、ボクハン、サンカヨウ、ヤマブキ・・・その美しい姿を見ていると、心の毛羽立ちがすうっと収まるような気持ちになります。


    今週末には、市制10周年と祭の文化財指定を祝う記念式典、屋台巡行が控えていて、まだまだ落ち着かない日々が続きます。そのうえ県展搬入まで、あと1ヶ月を切りました。作品制作もこれからが勝負です。


    深呼吸・・・。心を見失わぬように・・・。

     

     

     

     

     

     

     

     

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    小さな美のポケット第24話「町屋育ち」

    2018.04.02 Monday 19:38
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      「町屋のお人形さま巡り」も、明日でもう終わりですね。
      「小さな美のポケット」(村上新聞連載エッセイ)の第24話が、昨日掲載となりました。タイトルは「町屋育ち」。


      城下町村上の町屋に生まれ育った自分が、町屋の良さをほんとうに実感できるようになったのは、中年を過ぎてからでした。長い間かかって自分に擦り込まれた、空間の美意識・・・それはもう理屈ではありませんね。


      よく「ウナギの寝床」と言われますが、こういう家に住むことを心地良く感じるのは、ぼくの前世は、もしかすると「うなぎ」だったのかもしれません。

       

      ************(記事全文)**************

       

      第二十四話「町屋育ち」

       

      村上では毎年三月になると、町屋商人(あきんど)会の人たちの手により「町屋の人形さま巡り」が開かれます。西暦二千年に始められたこのイベントは、九月の「屏風まつり」と並んで、春や秋を彩る風物詩として、もうすっかり地域に定着したと言っていいでしょう。


      城下町村上には、歴史的な文化財として、武家屋敷も数棟残っていますが、街の中心街には、未だ、間口が狭く、奥行きの長い町屋が並び、昔からの庶民の暮らしを伝えています。ぼく自身もこうした町屋で育ったので、昔のままに使われている家にはいると、幼い頃の思い出がふっと蘇り、とても懐かしく感じます。


      表の戸や窓には、細かな格子がはめられ、玄関から裏口まで、まっすぐに土間が通っています。部屋はその土間の片側だけに並び、途中には必ず、光を取り入れるための中庭がある。また「茶の間」は、天窓のある屋根までの吹き抜けで、太い梁がむき出しのまま。真ん中には囲炉裏が切られ、自在鈎が吊されています。高いところに神棚、その下に仏壇が据えられ、幅の広い鴨居や、「箱階段」という収納を兼ねた階段には、漆が塗られ、見事な艶を見せているのです。


      しかし、こうした町屋の良さも、若い頃は全く理解できず、寒くて薄暗くて、部屋の間取りが自由にならない家の造りを恨めしく思っていました。毎日のように手伝わされた家の掃除も、長い土間に水を撒き、端から端まで箒で掃いていくのは、ひどくたいへんな作業だったのです。


      けれども年齢を重ねるうち、町屋の機能的な面がいろいろ見えてきました。夏には土間を涼風が吹き抜けます。また土間にある台所は、水や油がはねても平気。木が植えられ、石灯籠の配された中庭は、心の安らぎを与えてくれると同時に、冬は屋根の雪を下ろす場所にもなります。


      そして何よりも、どっしりした風格あるたたずまいが、何世代にも渡って連綿と続いてきた家の暮らしを伝え、地域の風土に即した住まい方を、ぼくらに教えてくれます。


      村上の伝統的工芸品である「木彫り堆朱」も、障子戸を通して中庭から入る、ほのかな光の中に置かれてこそ、その赤い漆が美しく浮かびあがるものなのではないでしょうか。


      町屋は、庶民の生活文化を育み慈しむ「お母さん」のような存在なのかもしれません。

       

      小学校の卒業式参列

      2018.03.23 Friday 21:48
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        しっとりとした雨の中、村上市内20校の小学校卒業式が行われ、ぼくは教育委員として村上小学校に出席。教育委員会告辞を述べました。


        42名の卒業生。すっかり大人びて、少し緊張気味ではあるものの、ひとりひとり胸を張り、堂々と卒業証書を受けました。目にうっすらと涙を浮かべている子もいて、こんな彼らの晴れ舞台に同席できたことを、ほんとうに嬉しく感じました。


        じわっと感動が押し寄せる場面は、なんといっても、在校生と言葉のやりとりをする「門出の言葉」・・・そして記念合唱。


          誰にも見せない泪(なみだ)があった
          人知れず流した泪があった
          決して平らな道ではなかった
          けれど確かに歩んできた道だ
          あの時想い描いた夢の途中に今も
          何度も何度もあきらめかけた夢の途中


          いくつもの日々を越えて
          辿(たど)り着いた今がある
          だからもう迷わずに進めばいい
          栄光への架橋へと・・・


        無限の可能性を秘めたひとりひとりの子どもたち。人と人とのつながりの中で大きく成長し、いま学び舎から、そして幼い自分から旅立とうとしています。


        彼らに心から祝福の拍手を送りつつ、内からこみ上げてくる熱い想いに、心の針が大きく振れた自分でした・・・。

         

         

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        石州誌3月号「うるしうるわし和の暮らし」(三)

        2018.03.22 Thursday 16:25
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          茶道会員誌「石州」の連載3回目です。
          「漆」という液体がもつ、優れた性質について書きました。
          漆に興味のおありの方は、よかったらご一読下さい。

           

          ++++++++++++++
           
          連載 「うるし うるわし 和の暮らし」

           

          第二話「漆は最強の液体?」 —不思議に頼もしい漆の性質 —

           

          先回は、漆の木と液の採取についてお話ししました。


          漆は、ウルシノキが自分の体につけられた傷を治すためにつくりだす液であること。夏の盛りに採れた漆液が、最も品質が良いこと。一本の木からわずかしか採取できないこと。一年間漆を採取して、秋の終わりには木は伐採されてしまうこと。でも切り株から芽が出て、八年後くらいにまた採取できるようになるため、漆の仕事は、木を育て、生命を繋ぎながら営まれていることなどでしたね。


          さて、そうやって採取された「漆」という液体は、「魔法の液」と呼んでもいいくらい、とても優れた性質を持っているのです。きょうはそのことについて、少しお話ししましょう。


          みなさんは「漆器」というと、「傷つきやすく弱いもの」というイメージをお持ちではないでしょうか。それは、ある意味では当たっていますが、ある意味では誤っているのです。


          たしかに塗りあがってそれほど日が経っていない漆器は、表面がやわらかく、乾いた布で拭いただけで細かな傷がついてしまいます。「漆器は乾(から)拭きするのが良い」と思い込んでいる方がけっこうおられるようですが、それは間違いです。いきなり乾拭きすると、表面についたホコリを布で擦ることになり、傷がつきやすいのです。


          けれど、塗ってから一年くらい経った漆器は、表面が硬くなり、それほど神経質にならなくても、普通に使っていれば、滅多なことでは傷がつかなくなります。ぼくらはこうなることを「漆が枯れる」と言っています。


          しかも「漆」という液体は、いったん乾いて固体になると、塩分、アルコール、酸、アルカリなど、どんな溶剤にも溶けるということはなく、もう二度と液体には戻りません。こんな素材はほかにあるでしょうか。


          たとえば、天然の硬い鉱物の中でも、最も硬いと言われるダイヤモンド。このダイヤモンドでさえ、「王水」という濃塩酸と濃硝酸を交ぜたものを使うと溶けてしまいます。ところが、この「王水」に漆のお椀を浸したらどうなるでしょう。実際に試してみた方の報告によると、全く溶けなかったというのです。何と漆は、ある意味、ダイヤモンドよりも硬いと言えるかもしれません。


          またあるとき、漆器を積んだ船が沈没して、大量の漆器が海中に投げ出されたという事故があったそうですが、数ヶ月後に海岸に流れ着いた漆器は、少しも傷んでいなかったそうです。濃い塩分の海中に数ヶ月浸かっていても、漆は変化しないということが証明されたわけですね。これほどまでに、漆は丈夫で、頼りになる存在なのです。


          そして、どんなものにも溶けないということは、それだけ「安全である」ということでもあります。お椀やお皿に塗ってある塗料が、もしも味噌汁の塩分やお酢の酸で溶けたとしたら、塗料が体内に入り、とても危険です。漆は、そういう心配がまったくない優れた塗料なのです。


          もうひとつ、ついでに申し上げると、漆器はとてもよく燃え、その際も有害物質をいっさい出さず、きれいに灰になります。その意味でも、すこぶる「エコ」な素材だということがわかっていただけると思います。


          それでは、漆はいったい、どのくらいの年月、保つものなのでしょうか。その答えは、じつはまだ出ていないのです。
          中国の大河、長江(揚子江)が東シナ海に注ぐ河口の近くに、「河姆渡」(かぼと)という遺跡があります。そこから出土した朱漆塗りのお椀は、約七千年前に作られたといわれていますが、未だに艶を保ったままです。数千年も土の中に埋まっていたにもかかわらず、今も見事な艶があるということは、漆が少なくとも七千年間、変化せずにいたということですね。使い方次第で、漆器は半永久的に使えると言っていいのかもしれません。
          ただひとつ、こんな漆にも弱点があります。それは「紫外線」です。
          直射日光に当てられた漆器がどのようになるか、ご覧になったことがおありでしょうか。表面の艶が消え、全体に白っぽくなり、嘘のようにボロボロと弱くなってしまうのです。「漆器に直射日光は禁物」ということだけは、憶えておいていただければと思います。


          もっとも現在は、漆の精製のしかたがいろいろと開発され、紫外線に強い漆というものも出てきました。現在も行われている日光東照宮の「平成の大修理」にも、おそらくこの漆が使われているのではないかと思います。


          このように漆にも、その使う場面によって、いろいろなものがあるわけですが、同じウルシノキから採った漆が、なぜそのようにさまざまな種類に分かれるのか、漆にはどんな種類があり、どう使い分けるのか、その辺のお話は、また次回にすることにしましょう。


           

           

          最近の読書から 〜ミステリー4冊

          2018.03.16 Friday 21:29
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            最近の読書から ミステリー4連発です。
            長文なので、興味ない方はスルーして下さい。


            読んだ順に・・・

             


            ●香納諒一「虚国」
            過去には探偵もやっていた、風景カメラマンの辰巳が、ある田舎町の廃墟を撮影中、女性の死体を発見する。この町には空港建設をめぐって反対運動が起きていた。最愛の妻を殺された男とともに、事件を捜査することになった辰巳だが、当事者がみな幼なじみの息苦しいほど狭い人間関係の中にあり、真相の究明には困難を極める。暴力団も絡み、次々と起こる事件。やがて5年前に起きたホテル火災が、今回の殺人事件に大きく関わっていることが明らかになる・・・。

             


            ●川田弥一郎「白い狂気の島」
            現役の医師であり、江戸川乱歩賞作家でもある作者の、狂犬病をめぐる医療ミステリー。もうなくなったと思われた狂犬病が、台風の接近する孤島で、39年ぶりに患者が発生した。いったい誰が、何のために、この島に犬を持ち込んだのか。島の青年医師、窪島は、恋人の協力を得て真相解明に乗り出すが、謎は深まるばかり・・・。医師でなければ書けない、リアリティーある描写に、最後まで引き込まれる。

             


            ●北川歩実「お喋り鳥の呪縛」
            車にはねられ意識不明の妹。その妹とともに書き、コンクールに応募したシナリオ「愛を運ぶオウム」が、あるテレビ局のディレクターの目に止まり、人気スター主演でドラマ化したいとの話が、フリーライター倉橋に持ち込まれる。だが、その話には裏があった。シナリオのモデルとなったオウムは、人間の言葉を理解し会話できる天才。そのオウムをめぐって、ある殺人事件が起こり、倉橋は否応なく、事件に巻き込まれていく・・・。

             


            ●熊谷達也「漂泊の牙」
            東北の山奥の家に住む主婦が、大きな野犬に食い殺されるという凄惨な事件が起こる。これはオオカミの仕業か? オオカミはとうの昔に絶滅したはずだが、今も生きているのだろうか? 妻を殺された動物学者の城島、野心家の女性テレビディレクターの恭子、はみ出し刑事の堀越が、その行方を追う。だが、次々と犠牲者が出、またいくつか不審な点も見つかって、人間による殺人なのでは、という疑いも浮上する。雪山そして獣との壮絶な闘い、野生動物と人間の共存というテーマも折り込んで、物語はクライマックスへ・・・。


            どれも面白かったが、イチオシのお薦めはやはり最後の「漂泊の牙」。新田次郎文学賞を受賞している作品です。同じ作者の、熊とマタギの世界を描いた「邂逅の森」もすごかったが、これもまた、圧倒される迫力ある描写です。あらためて筆力のある人だと思いました。

             

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