最近の読書から 〜夏樹静子「てのひらのメモ」、葉室燐「実朝の首」

2017.02.03 Friday 20:46
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    先回に引き続き、夏樹静子さんの裁判モノ「てのひらのメモ」を読む。


    思いがけなく「裁判員」に選ばれてしまった女性を主人公とし、一連の裁判員裁判の詳細が事細かにわかる。もし裁判員になったら、これを読もう!・・・的な、テキストのような小説だ。


    と言っても固苦しい内容ではなく、6歳の息子を気管支ぜんそくで亡くし、「保護責任者遺棄罪」に問われた母親が、有罪か無罪かをめぐって繰り広げられる、丁々発止の法廷劇。


    検察側、弁護側、どちらの主張にも一理あり、そこから浮かびあがるのは、さまざまな不運に見舞われる中、必死に誠実に生きようとする「人間の悲哀」ではなかろうか。


    そしてもう一冊は、葉室麟さんの時代小説「実朝の首」。


    鎌倉幕府の三代将軍、源実朝が、甥の公暁(くぎょう)に、鶴岡八幡宮の大銀杏の下で斬り殺される、あの有名な場面から始まり、虎視眈々(こしたんたん)と権力を狙う北条義時や、その力を利用してのし上がろうとする三浦義村、武士から政権を奪い返そうとする後鳥羽上皇、陰の将軍としてその胆力、知力は並ぶもののない尼将軍、北条政子などが入り乱れて、権謀術数の限りを尽くす中、ある志を持った、真っ直ぐでさわやかな若者集団の、棟を梳くような活躍が見事。ハラハラドキドキの面白い一冊だった。

     

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