洞庭の秋

2016.09.01 Thursday 21:02
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    日中の陽差しはまだ強いものの、朝夕の風はひんやりとして、肌に優しく感じられる。


    きょうから9月。渇いたのどをコップいっぱいの水で潤すように、少し湿り気を帯びた秋風は、かさついた心をしっとりと落ち着かせてくれるようだ。


    月初めの日の朝は、寝室にある床の間の掛け軸を取り替えるのが、ぼくの習慣。毎年この月に掛けるのは、父が,かな書道を始める前の二十代の時に書いたという初唐の詩人、張説(ちょうえつ)の七言絶句だ。楷書のきっちりした書体で、若いときの父の性格そのもの。


    詩の意味は、「巴陵(はりょう)の山から一望するのは、洞庭湖の秋の風景。日々に見るのは、湖中に浮かぶ君山(くんざん)の孤峰が、水上に映る姿である。聞くところによると、神仙とは近づくことができないものだというが、神仙へ向かう私の心は、この湖水とともに悠々と満ちている。」


    ぼくは、この最後の「心、湖水に随(したが)いて、ともに悠々」というフレーズがとても気に入っていて、この軸を掛けると特に、ああ、秋が来たなあ、と感じるのだ。

     

    category:季節の景 | by:URUcomments(0)trackbacks(0)
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