石州誌連載7月号「うるしうるわし和の暮らし」(七)

2018.07.17 Tuesday 20:13
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    茶道会員誌「石州」7月号が送られてきました。
    連載「うるしうるわし和の暮らし」の7回目です。


    今回は「漆器の素地」について書きました。
    長くて恐縮ですが、興味ある方は、ご一読ください。
    一応、全文と添付した元のカラー写真を掲載します。


    ***********(本文全文)************


    第六話「漆の素地は木だけじゃないよ」 — 漆を塗れるいろいろなもの —


    先回は、漆が乾くときの条件である「気温と湿度」についてお話ししました。そして、金属に漆を塗る場合の、「高温乾燥法」という特殊な乾かし方についても少し触れました。


    みなさんの中には、「漆って、金属にも塗れるのなら、ほかのどんなものにも塗ることができるのだろうか?」という疑問を持った方もおられたかもしれませんね。きょうは、漆を塗る「素地」について少しお話ししましょう。


    言うまでもないことですが、漆は塗料の一種です。塗料という液体であるなら、どんなものにも塗ることができそうな気がしますね。しかし基本的に、塗った漆がきちんと乾いて塗膜を作り、滅多なことでは剥げない、ということがとても大事ですよね。


    そうしたことを考えると、漆と相性の良い、つまり漆が丈夫な塗膜を作ることのできる素地にも、いくつかの条件が必要になります。そのひとつは、誰にでも直感的にわかると思いますが、つるつるしている面より、ざらざらしている面の方が、漆と素地の接する表面積が単位面積あたり広いので、漆が剥げにくい。そして、漆が素地の中に浸透していくものは、もっと剥げにくいということになりますね。


    そういう点からすると、木をはじめ、布、紙、革、石などは、素地の中に漆が浸透する穴がたくさん開いていて、その点、漆と最も相性の良いものと言えるでしょう。


    そのうち「木」は、漆器の素地として最もポピュラーなもので、板物、挽き物、曲げ物があります。「板物」は「指物」(さしもの)とも呼ばれ、板を貼り合わせ、お膳、重箱、机、角盆、硯箱などがつくられます。「挽き物」(ひきもの)は、ろくろで挽く丸物で、お椀類をはじめ、皿、鉢、丸盆などがあります。「曲げ物」は、木目の通った板を薄く割り、やわらかくし曲げて作るもので、曲げわっぱのお弁当などが有名ですね。漆器の素地に使われる木としては、ヒノキ、ケヤキ、杉、朴、カツラ、トチ、ブナ、栗、桜などがあります。


    「布」は、麻布を型にかぶせ、何枚も漆で重ね貼りして器胎とする「乾漆」(かんしつ)に使われます。仏像のほか、皿や鉢、盆など一般の器もこの方法で作りますが、形を自由に作ることができる反面、とても手間がかかるので、一品ものの作品向きですね。


    「紙」にも同じように、和紙を漆で貼り重ねて素地を作る方法があり、これを「一閑張り」(いっかんばり)と言います。


    「革」としては、なめしていない革を用いて器胎を作り、漆を塗った「漆皮」(しっぴ)があります。そのほか有名なものとしては、鹿のなめし革に、漆で細かい点や型文様をつけて財布やバッグなどを作る「印伝」がありますね。


    つるつるしていて漆が浸透しない「金属」は、普通に乾かすと剥げてしまいがちですが、先回お話しした「高温乾燥法」で、いったん漆を表面に焼き付けてしまえば、あとは楽に漆を塗り重ねていくことができます。これを「金胎(きんたい)漆器」といい、鞍などの馬具や鎧はこの方法で塗られています。


    「ガラス」は、サンドブラストなどで表面を荒らせば、漆が定着します。


    「陶磁器」は、釉薬をかけないでおけば、漆を塗ることができ、これを「陶胎(とうたい)漆器」と言います。ぼくも、花器やカップ類などいくつかのアイテムを制作しています。


    「竹」は、輪切りにしたものに塗ることもできますが、籠やざるのように編んだものに漆を塗るやり方もあり、これを「籃胎(らんたい)漆器」と言います。東南アジアなど南方でよく作られ、軽くて、木のように狂うこともなく、じょうぶなのが利点です。


    「合成樹脂」いわゆる「プラスチック」は、いろいろな種類があり、古くは「ベークライト」と呼ばれるフェノール樹脂が使われ、安価な漆器の代表でした。現在は、ウレタンやABS樹脂などがよく使われていますね。しかし、ウレタン樹脂の上に塗った漆は、木に比べて剥げやすく、耐久性や安全の上でも不安があります。そのほかにも、ポリエステルやアクリル、発泡スチロール、FRP(繊維強化プラスチック)などにも漆を塗ることができます。ぼくもオブジェなど造形作品には、簡単に成形できる発泡スチロールや発泡アクリルなどを使っています。また、木粉を合成樹脂で固めたものも、スプーンやフォークなどの素地として使われています。


    このように、漆はほとんどの素材に塗ることができますが、油分や塩分を含むものだけは、漆が乾かないため、塗ることができません。また当然のことながら、脆いものや狂いやすいものは、素地として不適格です。木の場合は、風通しのよい日陰で何年も乾燥させたものが良材ですが、人工的に乾燥装置を使って乾かすことも行われています。


    さて次回は、こうした素地に漆を塗っていく、その工程についてお話ししましょう。

     

     

     

     

     

    石州誌6月号 「うるしうるわし和の暮らし」(六)

    2018.06.16 Saturday 21:15
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      茶道会員誌「石州」の6月号が送られてきました。
      ぼくの連載も6回目。今回は「漆の乾き」についてです。


      漆は高湿度でよく乾く、ということを、まだまだご存じない方が多いようで、体験のときなどにそのお話をすると、びっくりされます。


      そうですよね。考えてみると、高湿で固まる漆ってほんとに不思議な液体。でも人間だって、これからの季節、高温・高湿になれば、じっと動かなくなりますよね。夏の昼寝は極楽です。(笑)

       

       

       

       


      ************* 本文全文 **************


      第五話「洗濯物と真逆の乾き方とは?」 — 不思議な漆の乾燥 —


      先回は、漆の「艶」についてお話ししました。漆の艶の出し方には二通りあって、ひとつは、油分を加えない上質の透漆(すきうるし)や黒漆(くろうるし)を塗り、十分乾燥させたあと、炭で研ぎ、日本産の生漆を引いて乾かし、磨く作業を何度か繰り返す「呂色(ろいろ)仕上げ」で、これはシャープな深みのある艶が生まれるということ。そしてもうひとつは、油分を少し加えた漆を、ゴミがつかないように塗り、時間をかけてゆっくり乾かす「塗り立て仕上げ」(花塗り)で、これはとろりとしたやわらかい艶が特徴だということでした。


      さて、これまで「漆の乾燥」「漆を乾かす」という言葉を、あたりまえのように使ってきましたが、漆が乾くのは洗濯物が乾くのとは全く違ったメカニズムがあり、乾燥の条件がある意味真逆であることは、みなさんご存じでしょうか。


      洗濯物が良く乾くのは、当然のことながら、からりと晴れて風がある、空気が乾燥している日ですよね。ところが漆は、そういう条件では乾きが悪いのです。漆がよく乾くのは、気温20〜25度、湿度75〜85パーセント、つまり梅雨時のような、かなりじめじめした高湿度においてなのです。これはいったい何故なのでしょうか。


      一般的に「乾く」というのは、そのものの中に含まれている水分が蒸発することですよね。ところが漆の場合は、そうではないということなのです。正確に言うと、漆は「乾く」のではなく、「固まる」という言葉を使った方が適切なのかもしれません。


      ちょっと専門的な話になって恐縮なのですが、漆の主成分は、「ウルシオール」という名の高分子化合物です。そしてそのほか、水分やゴム質などとともに、「ラッカーゼ」という酵素が含まれています。漆が乾くのは、このラッカーゼが働いて、空気中の水蒸気から酸素を取り込み、ウルシオールを固体に変える作用なのです。この酸化作用には、ある程度の温度と湿度が必要で、それが先ほどあげた漆が乾く条件になるというわけです。


      実際どのようにするかというと、電熱マットの上に水で濡らしたスポンジを敷いた「塗り風呂」という室(むろ)に、漆を塗ったものを入れ、中を密閉しておきます。乾きが悪い条件の日には、マットの電熱を入れ、スポンジの中の水分を蒸発させて、内部の湿度を高くするのです。この塗り風呂は、漆塗り職人の仕事部屋には必ず備え付けられていますが、塗るものが小さいものであれば、段ボールや衣装ケースなどで代用することも可能です。


      温度と湿度の関係ですが、大まかに言うと、気温が高い時は、それほど湿度を上げなくてもよく乾きますが、気温が低い冬などは、湿度を高くしないと乾きません。かといって90パーセント以上に湿度を上げてしまうと、漆器の表面が露結してしまうので注意が必要です。


      漆は、気温が4度以下ではほとんど乾かず、4度から40度くらいまではよく乾きます。ところが面白いことに、40度を過ぎるといったん乾かなくなりますが、80度を過ぎるとまた乾くようになるのです。不思議ですよね。


      この高い温度で乾燥させる方法を「高温乾燥法」とか「焼付け法」と言い、馬具や鎧など金属に漆を塗る場合に使います。茶釜などをつくる際の仕上げにも、さび止めのために漆を塗り、焼き付けています。いったん焼きついた漆は、ひじょうに堅牢な膜を作り、滅多なことでは剥がすことができないほどです。


      さて以上のことから、季節としては、漆が最もよく乾くのは「夏」で、乾きにくいのは「冬」ということになりますが、「梅雨」の時などは逆にあまりに早く乾きすぎて、仕事がしづらいため、漆の乾きを遅くするように調整しなければなりません。


      それはどのようにやるのかというと、漆をコンロにかけて、沸騰するまでぐつぐつ煮てつくった「焼き漆」と呼ばれるものを、何割か混ぜるのです。漆は沸騰させると、中のラッカーゼが死んでしまって全く乾かなくなり、この乾かない漆を混ぜることで、漆の乾きを遅くできるのです。(現在ぼくらは、漆屋さんが特種な方法で精製した「不乾燥」という漆を、焼き漆の代用として使っています。)
      ちなみに漆は、お酒を加えると乾きが早くなります。昔の職人さんは、「漆のご機嫌をとるんだ」と言いながら、口にお酒を含ませ、塗り風呂の中に、ぷうっと霧吹きのように吹いたのだそうです。


      また逆に油分や塩分が混じると、漆は乾きが遅くなります。したがって油分を加えた漆を塗る「塗り立て仕上げ」は、乾きがゆっくりなため、乾くまでの間に表面の漆が流れて刷毛目を消し、なめらかで均一な塗り面をつくることができるのです。


      さて、先ほど「高温乾燥法」に関係して、金属に漆を塗るというお話ししましたが、漆はどんなものにも塗ることができるのでしょうか。次回は、漆を塗る素地についてお話ししたいと思います。

       

       

      石州誌5月号「うるしうるわし和の暮らし」(四)

      2018.05.31 Thursday 20:47
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        「石州」5月号の連載記事をアップします。
        第四話は、「漆の艶と仕上げ方法」について記しました。
        写真だと艶の違いはよくわからないと思います。ごめんなさい。


        要するに野球で言うと、「呂色(ろいろ)磨き仕上げ」は、こつこつと着実にヒットを重ねて点を取る方法で、それに対して「塗り立て仕上げ(花塗り)」は、一発で走者一掃のホームランを狙う方法でしょうか・・・。


        ************* 本文全文 **************


        第四話「艶の違いがわかりますか?」 —磨き仕上げと塗り立て仕上げ—


        先回は、漆の精製と色についてお話ししました。ウルシノキから採取し、不純物を取り除いただけの「生漆」(きうるし)は、精製作業によって水分の含有を少なくし、より透明な「すぐろめ漆」ができること、それを元に、用途の違いによって、いろんな鉱物や油などを入れ、「透漆系」「黒漆系」の様々な種類の漆が生まれること、また「朱漆」をはじめとする「色漆」は、透漆にそれぞれの色の顔料を入れたものですが、「黒漆」はそれとは違い、鉄分を混入して、漆そのものに化学変化を起こさせてつくったものであること、などでしたね。


        それでは、その精製のあと、漆の中に油分を加えたり加えなかったりするのは、どうしてなのでしょうか。それは漆の「艶」と仕上げ方法が関係していますので、きょうはそのことについて少しお話ししましょう。


        漆の美しさは、深みのある色と同時に、自分の顔が映り込むほどの、鏡面のような艶に依るところが大きいのではないでしょうか。元々、漆の樹液そのものに艶があるので、できあがった漆器に艶があるのはあたりまえと思われるかもしれませんが、話はそう簡単ではないのです。


        単に「漆の艶」と言っても、それにはさまざまな種類があります。ほんとうに顔が映り込むほどのシャープな艶もあれば、しっとりと視線を吸い込むようなやわらかな艶もある。また、「拭き漆」で仕上げたケヤキのお盆などのように、顔は映らないけれど、内部からにじみ出たような上品な艶もあります。


        この艶の違いは、使う漆の種類と、仕上げの方法の違いから生まれます。


        まずは、「呂色(ろいろ)磨き仕上げ」というやり方があります。これは上塗りに、油分の混入していない上質な日本産漆を用いて、十分に乾かしたあと、専用の木炭などを用いて表面を研ぎ、平らにします。次に上質な日本産の生漆を薄く引いて固めます。その漆が乾いたあと、鹿の角を焼いた「角粉」(つのこ)などを使いながら、表面の細かな傷や炭跡などを消して整える「胴摺り」(どうずり)を行います。さらに生漆を引いて固め、油と専用の磨き粉で磨く工程を何度か繰り返すと、徐々にシャープな美しい艶が出てくるのです。日本に多くある「蒔絵」の地の部分は、たいていこの「呂色磨き」によって仕上げられています。


        それとは別に、「塗り立て仕上げ」という方法もあります。これは、別名「花塗り」とも言い、呂色磨きとは逆に、いくらか油分を加えた漆を上塗りに使い、乾いた状態で、すでに美しい艶が出るようにするやり方です。磨きなどの仕上げはしません。塗って乾いて終わりですから、塗り終わった時点で、漆の表面が平らになっていなければなりませんし、どんな小さなチリ、埃がついても失敗です。そのため、塗り部屋の掃除や、塗るときの服装、動作にもひじょうに気を使うことはもちろんのこと、その時々の気温や湿度を見て、ちょうど良いタイミングで乾くように、漆を調整しなければなりません。これには、長い経験と高い技術が必要なのです。


        この「塗り立て仕上げ」は、とてもやわらかな艶が特徴です。また使う漆により、艶の出方が異なります。70パーセントくらいの艶、50パーセントくらいの半艶、また艶がほとんどないマットな状態をつくることも可能です。先回お話しした漆の精製の後で、油分を入れたり入れなかったりするというのは、こうした仕上げ方法の違いによって、それぞれに適した様々な漆が必要だからなのです。油分を混入すると、艶は出ますが、乾きが遅くなり、また漆が固く乾かないため、磨きをするには不適切となります。


        このように、大まかにいって、シャープでくっきりとした艶が出したければ「呂色」、やわらかでしっとりした半艶やマットな感じが出したければ「塗り立て」を行うわけですが、それとは別に、「塗り立て」はあまり大きなものには向かないということもあります。大きなものは、どうしても埃がつきやすく、また乾燥ムロの中で一定時間ごとに回転させて均一に乾かすということも困難だからです。


        一方「呂色磨き」は、手間がかかるため、日常で使う器などの塗りには向いていません。したがって、お椀や箸、重箱、棗(なつめ)の内側などは「塗り立て仕上げ」、蒔絵などを施す高価な重箱・棗の外側や茶箪笥、座卓などの家具類などは「呂色磨き仕上げ」が多いと思います。


        ちなみに、茶道でいう「真塗り」は、黒漆塗りの無地のものをいうのですが、もともとは黒漆を塗り立て仕上げしたもののことでした。それがいつの間にか、呂色磨きしたものもそう呼ぶようになったようです。


        さて、先ほど「塗り立て」の説明の中で、漆の乾きを調整することがとても大切だとお話ししましたが、漆はその乾燥のしかたについても、とても変わった面白い性質があります。その辺のことを、また次回にお話ししましょう。

         

         

         

         

         

        石州誌4月号「うるしうるわし和の暮らし」(三)

        2018.05.27 Sunday 10:47
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          茶道会員誌「石州」に連載中の「うるし うるわし 和の暮らし」。
          4月号と5月号、アップするのを忘れていました。


          まずは4月号。漆の精製と種類について書きました。カラーの写真もアップしておきますので、少し専門的かもしれませんが、漆にご興味がある方は、ご一読下さい。


          ************* 本文全文 **************


          第三話「漆ってどんな色?」 —漆の精製とその種類—


          みなさんは、漆というとどんな色を思い浮かべられますか? お正月のおせちが映える重箱の中の鮮やかな「朱」? 思わず引き込まれそうな夜の闇よりも深い「黒」? それとも豪華絢爛たる蒔絵の「金」でしょうか?


          たしかに漆には、そういう色のイメージが強いと思います。それは朱や黒の漆が、長い歴史の中で伝統的に用いられてきたからであり、また日本では、平安時代以降、漆の代表的な加飾が、漆を塗って金粉を蒔く「蒔絵」だったからでしょう。


          このうち「金」は、金粉や金箔によるものなのでそれは別として、朱や黒の漆は、どうやってつくるのでしょうか。そもそも、先回までお話ししたウルシノキから採取された樹液は、元々はいったいどんな色をしているのでしょう?


          木から採った原液は「荒味うるし」と言い、それをろ過したり遠心分離機にかけたりして、木の皮などのゴミや異物を取り除いたものが、「生漆」(きうるし)と呼ばれるものです。この生漆は、乳白色のとろりとした油のような色をしていて、漆塗りの工程では、下地用、接着用、または仕上げの磨き用などに使います。この白っぽさは、生漆の中に含まれる「水分」から発生する色で、固着力は強いのですが、ここにいきなり「朱」など色の粉を混ぜても、綺麗な色が出ません。


          そこで、中塗りや上塗りに使うためには、この生漆を「精製する」必要があります。精製とは、どんなことをやるのでしょうか。
          それには、「なやし」と「くろめ」と言われる2つの工程があります。


          「なやし」というのは、ゆっくりと生漆を攪拌(かくはん)して、質を均一にすることを言い、「くろめ」とは、適度の温度で暖めながら攪拌し、漆の中に含まれている水分を、時間をかけてゆっくりと蒸発させることです。「くろめる」という動詞としても使いますが、これをすると、漆はきめ細やかになり、透明度を増した飴色に変わります。これを「すぐろめ」と呼び、用途別にいろいろな種類の漆を作るための大元になるのです。


          この漆の精製作業は、今は漆屋さんが機械で行い、用途によって多種類の漆が販売されていますが、昔は塗りの職人が、直接漆掻きから生漆を買い、すべて手でくろめていました。


          よく晴れた真夏の野外で、朝早くから専用の大きな捏ね鉢に大量の生漆をあけ、これも専用の捏ね棒でゆっくりと掻き回していきます。太陽の位置が低いうちは、いわゆる「なやし」の作業となり、陽が昇るにつれて温度が加わり、「くろめ」の工程に移るというわけです。


          こうしておよそ半日以上も練り続けてようやく完了。このきつい作業は、新入りの弟子の仕事だったらしく、そうでなくても真夏の炎天下、肌を露出し、毛穴が開いているなか、漆の匂いを全身に浴びながら行うために、間違いなくかぶれたそうです。新弟子にとっては、漆の洗礼を受けて漆に慣れるための、過酷な「修行」の一つだったのでしょうね。


          さて、こうしてできた「すぐろめ漆」は、いろんな鉱物や油などを入れて、多種類の漆に加工されますが、大きく分けると、朱漆をはじめ様々な顔料を入れて「色漆」(いろうるし)をつくるための「透漆(すきうるし)系」と、鉄分を混ぜて攪拌することによってできる「黒漆系」になります。


          冒頭に、漆の色のイメージとして定着しているのは、「朱」と「黒」と言いましたが、このうち「朱」は、硫化水銀という顔料を入れてつくる「色漆」の一種で、ほかにも二酸化チタンを入れる「白漆」、酸化第二鉄を入れる「弁柄(べんがら)漆」、また硫酸バリウムからなる有機顔料を入れて、黄色や緑、青、紫などさまざまな色の漆を作ることができます。ただ色漆は、永く置くとだんだん乾きが落ち、やがては全く乾かなくなってしまうため、塗り職人が塗る前に自分で調合するか、少量を購入して、短期間に使い切るようにしています。


          一方「黒」は、顔料を入れて黒くするのではなく、すぐろめ漆に鉄分を加えることにより、漆そのものを変化させてつくります。たとえば包丁を研いだときに出る「とぎ汁」や、昔女性の歯を染めるために使った「おはぐろ」などを入れて攪拌するだけで、ふしぎなことに透明な漆は真っ黒に変わるのです。よく美しい黒髪を「カラスの濡れ羽色」などと言いますが、漆の黒が闇を覗くような深みと美しさを持っているのは、顔料を入れて染めたのとは違う、黒漆独自の製法によるものなのでしょう。


          さらに、この透漆や黒漆には、それぞれに油分を加えるものと加えないものがあります。前者は塗ってそのまま仕上げとするものに使い、後者は塗って乾かしてから磨いて仕上げとするものに使います。


          この仕上げ方法の違いによってどんな効果が生まれるのか、なぜ油分を入れたり入れなかったりするのかについては、また回をあらためてお話しすることにしましょう。

           

           

          石州誌3月号「うるしうるわし和の暮らし」(三)

          2018.03.22 Thursday 16:25
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            茶道会員誌「石州」の連載3回目です。
            「漆」という液体がもつ、優れた性質について書きました。
            漆に興味のおありの方は、よかったらご一読下さい。

             

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            連載 「うるし うるわし 和の暮らし」

             

            第二話「漆は最強の液体?」 —不思議に頼もしい漆の性質 —

             

            先回は、漆の木と液の採取についてお話ししました。


            漆は、ウルシノキが自分の体につけられた傷を治すためにつくりだす液であること。夏の盛りに採れた漆液が、最も品質が良いこと。一本の木からわずかしか採取できないこと。一年間漆を採取して、秋の終わりには木は伐採されてしまうこと。でも切り株から芽が出て、八年後くらいにまた採取できるようになるため、漆の仕事は、木を育て、生命を繋ぎながら営まれていることなどでしたね。


            さて、そうやって採取された「漆」という液体は、「魔法の液」と呼んでもいいくらい、とても優れた性質を持っているのです。きょうはそのことについて、少しお話ししましょう。


            みなさんは「漆器」というと、「傷つきやすく弱いもの」というイメージをお持ちではないでしょうか。それは、ある意味では当たっていますが、ある意味では誤っているのです。


            たしかに塗りあがってそれほど日が経っていない漆器は、表面がやわらかく、乾いた布で拭いただけで細かな傷がついてしまいます。「漆器は乾(から)拭きするのが良い」と思い込んでいる方がけっこうおられるようですが、それは間違いです。いきなり乾拭きすると、表面についたホコリを布で擦ることになり、傷がつきやすいのです。


            けれど、塗ってから一年くらい経った漆器は、表面が硬くなり、それほど神経質にならなくても、普通に使っていれば、滅多なことでは傷がつかなくなります。ぼくらはこうなることを「漆が枯れる」と言っています。


            しかも「漆」という液体は、いったん乾いて固体になると、塩分、アルコール、酸、アルカリなど、どんな溶剤にも溶けるということはなく、もう二度と液体には戻りません。こんな素材はほかにあるでしょうか。


            たとえば、天然の硬い鉱物の中でも、最も硬いと言われるダイヤモンド。このダイヤモンドでさえ、「王水」という濃塩酸と濃硝酸を交ぜたものを使うと溶けてしまいます。ところが、この「王水」に漆のお椀を浸したらどうなるでしょう。実際に試してみた方の報告によると、全く溶けなかったというのです。何と漆は、ある意味、ダイヤモンドよりも硬いと言えるかもしれません。


            またあるとき、漆器を積んだ船が沈没して、大量の漆器が海中に投げ出されたという事故があったそうですが、数ヶ月後に海岸に流れ着いた漆器は、少しも傷んでいなかったそうです。濃い塩分の海中に数ヶ月浸かっていても、漆は変化しないということが証明されたわけですね。これほどまでに、漆は丈夫で、頼りになる存在なのです。


            そして、どんなものにも溶けないということは、それだけ「安全である」ということでもあります。お椀やお皿に塗ってある塗料が、もしも味噌汁の塩分やお酢の酸で溶けたとしたら、塗料が体内に入り、とても危険です。漆は、そういう心配がまったくない優れた塗料なのです。


            もうひとつ、ついでに申し上げると、漆器はとてもよく燃え、その際も有害物質をいっさい出さず、きれいに灰になります。その意味でも、すこぶる「エコ」な素材だということがわかっていただけると思います。


            それでは、漆はいったい、どのくらいの年月、保つものなのでしょうか。その答えは、じつはまだ出ていないのです。
            中国の大河、長江(揚子江)が東シナ海に注ぐ河口の近くに、「河姆渡」(かぼと)という遺跡があります。そこから出土した朱漆塗りのお椀は、約七千年前に作られたといわれていますが、未だに艶を保ったままです。数千年も土の中に埋まっていたにもかかわらず、今も見事な艶があるということは、漆が少なくとも七千年間、変化せずにいたということですね。使い方次第で、漆器は半永久的に使えると言っていいのかもしれません。
            ただひとつ、こんな漆にも弱点があります。それは「紫外線」です。
            直射日光に当てられた漆器がどのようになるか、ご覧になったことがおありでしょうか。表面の艶が消え、全体に白っぽくなり、嘘のようにボロボロと弱くなってしまうのです。「漆器に直射日光は禁物」ということだけは、憶えておいていただければと思います。


            もっとも現在は、漆の精製のしかたがいろいろと開発され、紫外線に強い漆というものも出てきました。現在も行われている日光東照宮の「平成の大修理」にも、おそらくこの漆が使われているのではないかと思います。


            このように漆にも、その使う場面によって、いろいろなものがあるわけですが、同じウルシノキから採った漆が、なぜそのようにさまざまな種類に分かれるのか、漆にはどんな種類があり、どう使い分けるのか、その辺のお話は、また次回にすることにしましょう。


             

             

            石州誌2月号「うるしうるわし和の暮らし」(二)

            2018.03.06 Tuesday 21:03
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              1月から始まった茶道会員誌「石州」への連載。2回目の投稿がちょっと遅くなってしまったけれど、「うるし うるわし 和の暮らし」の第一話「そもそも漆って何なの?」が、2月号に掲載されました。


              「今年1年間、12回にわたって、漆のことをいろいろ書いて下さい。」というこの連載。先月号は「序章」という「前置き」的なものだったので、今回から少しずつ順を追って、「漆」について解説していきます。


              ちょっとありきたりかもしれないけれど、まずは基本的な「漆ってそもそも何なの?」という疑問への答えとして、漆の木とその樹液の採取から話を起こしてみました。


              画像では読みにくいかもしれないので、下記に全文を掲載しておきますが、2000字くらいの原稿なので、漆に興味がおありの方、よかったら一緒におつきあい下さい。

               

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              連載 「うるし うるわし 和の暮らし」

              第一話「そもそも漆って何なの?」 — 漆は木の生命そのもの —

               

              障子戸を通して入ってくる微かな光。そんなお座敷の暗がりの中に、ほのかに浮かびあがる漆の器は、神秘的と言ってもいいほど、荘厳な美しさを秘めていますね。その独特の深い色艶は、他の素材ではけっして出せないものでしょう。


              この美しさは、ひとえに、そこに塗られた「漆」という天然塗料の特性に因ります。みなさんは、この「漆」について、どんなイメージをお持ちですか?


              「漆」という言葉は、「樹木」「樹液」、そしてそれが塗られた「器物」、いずれにも使いますが、それぞれの一般的なイメージとしては、たぶん次のようなものはないでしょうか。

               

              一、    漆の木 … 真っ赤な紅葉はとてもきれいだけれど、夏山に入ってその下を通ると、いつもかぶれたっけ。
              二、    樹液 … とろとろとした粘りのある液体で、独特の臭いがあるよね。
              三、    漆器 … 朱や黒の美しい器。蒔絵などの装飾が施され、桐箱入りの高級品なものが多くて、手入れが難しそう。

               

              もともと「うるし」という音は、「うるわし」「うるおし」「潤(うる)汁」「塗る汁」などから転じたらしく、また「漆」の字の右半分のつくりは、木から垂れている汁を人間が受け止めている形を表したものだそうです。


              はるか数千年の昔、縄文時代の早期から、漆はその優れた性質により、ぼくらの暮らしのなかで永く使われてきました。けれど、その漆がどういうものか、一般には意外とご存じない方が多いようですので、きょうはまずその樹液を生み出す木と、液の採取について、少しお話ししたいと思います。


              漆の木(ウルシノキ)は、ウルシ科の落葉高木で、高さが七、八メートルにもなります。この木は、東アジアと東南アジアにしかありません。水はけが良くて陽がよく当たり、空気が湿潤で、栄養分の豊富な土のところ出ないと育たないんですね。同じウルシ科の仲間には、ヤマウルシ、ツタウルシ、ハゼ、ヌルデなどがありますが、漆液が採れるのは、この「ウルシノキ」だけです。毎年、四、五月頃に発芽し、六月頃、白っぽい黄色の小さな花を咲かせます。その実からは、和ろうそくの材料になる鑞(ろう)が採れるんですね。


              漆の樹液は、この木の幹を傷つけて採るのですが、一度にたくさんの傷をつけてもダメなんです。六月中旬から十一月頃まで、四、五日ごとに少しずつ長くした傷をつけて、そこからジワーッと浸み出てくる液を少しずつ掻き取り、貯めていきます。なぜ一度に傷をつけてもだめなのかというと、こうした樹液は、いつでも幹の中を流れているわけではなくて、傷をつけられたことによって、それを治すために、木が漆を作るからなんですね。


              ぼくらもケガをすると血が出ますが、その血はやがて固まり、かさぶたになって、やがて傷が治ってしまいます。漆の木も、傷を治すために「漆」という液を体内で作るわけです。だから、その力を弱めないように、木を上手に生かしながら、最初はごく短く、だんだんと長くなるように傷をつけていくんですね。木にとっては、傷を治すためのせっかくの液を奪われ、傷だらけにされるのですから、さぞつらいことでしょう。じつに可哀想なことをするわけですが、ぼくら職人は、まさにこの木の営みによって生かされているのだと思います。


              六月頃に採った漆は、「初物」(はつもの)とか「初辺」(はつへん)と言って、乾燥が早いために中塗りなどに、また七月、八月に採った漆は、「盛物」(さかりもの)とか「盛辺」(さかりへん)」と言い、最も品質が良いので、上塗り、磨きなどに使います。九月以降の物は、「遅物」(おそもの)または「末辺」(すえへん)と言い、乾きが遅くなります。そのあと「裏目掻き」という少し長い傷をつけて漆を採り、そして最後に、幹の周囲をぐるりと一周する「止め掻き」を行うと、木は根から吸い上げた栄養分を枝まで届けることができなくなり、文字通り息の根を止められ、その後、木は根元から伐採されます。


              一年で漆を取り尽くすこの方法は、「殺し掻き」という物騒な名前がついているのですが、その採取量は、一本の木から約二00ミリリットルと言われ、茶碗一杯分くらいしかありません。(何年にもわたって木を生かしながら採る「養生掻き」という方法もありますが、日本ではほとんど行われていません。)漆の木は苗を植えて十二年たって、やっと漆掻きができる太さに成長するのですが、せっかく育った木をまるまる一本使うわけですから、漆という材料自体が、いかに貴重かがわかっていただけると思います。ただ、切り株から芽が出て、八年くらい経つとまた漆が掻けるようになるので、ぼくらのこの仕事は、木を育て、木の生命(いのち)を繋ぎながら営んでいくものと言えるのでしょうね。


              さて、こうして得られた貴重な漆は、「魔法の液体」と言ってもいいくらいの素晴らしい性質を持っているのですが、そのお話は、また次回にしましょう。

              石州誌の連載開始 1月号「うるし うるわし 和の暮らし」(一)

              2018.01.21 Sunday 13:18
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                石州流茶道の会員誌に、連載を頼まれました。
                今月から1年間、「漆」について書きます。


                茶道と漆とは、茶道具の関係でつながりが深いのですが、ぼくは子どもの頃、うちに住み込みで来ていた職人さんから、お茶のいただき方を教わったくらいで、詳しいことはほとんど知りません。けれど、それでもいいと編集担当の方が言って下さったので、お引き受けしました。


                連載のタイトルは、以前発行していたメールマガジンと同じ。内容は、いつもぼくが体験のときにしゃべっているようなことで、特に目新しくもないのですが、漆の良さを多くの方に知っていただく機会になればいいかな、と思います。


                また一つ仕事を増やしていながら、「もっと時間が欲しい」としょうもないことを、ついついぼやいてしまう愚かな自分です。(^^ゞ

                 

                *****************(原稿全文)********************

                 

                序章「鮮やかな朱漆と父のひと言」 — 漆との出会いとその魅力 —

                 

                神社に張られた「しめ縄」のような、きつく絞られた漉し紙から、じわりとにじみ出てくる真紅の漆。その量がどんどん増え、やがて自重に堪えられなくなったとたん、たまらずに細い糸を引きながら、まっすぐに下の茶碗に滴り落ちていきます。


                漆液の中に入り込んだ細かなチリを取り除くための「漆漉し」の作業。父は、その作業をしながら、まるで独り言を言うような、さりげない口調で、
                「ものをつくる仕事って、おもしろいぞ。」
                とつぶやきました。ぼくが、高校二年生から三年生に進級する直前の、ある日のことです。


                「三年生になったら進路別にクラスが分けられる。それに向けて各自の希望を聞くから、それぞれ自分の進路をしっかり決めてくるように。」という先生からの指示を受け、ぼくは毎晩思い悩んでいました。


                うちは祖父の代から、漆器の製造販売を生業としています。けれど祖父もそうだったようですが、父も自分の息子に対して、ひと言も「家業を継げ」とは言いませんでした。「お前の進む道は、お前自身で考えて決めたらいい。」と。


                それまでのぼくは、家業などより歴史や原子物理学のようなものに興味があって、「将来、ノーベル賞をとれるような科学者になれたらなあ・・・」などと、ぼんやり夢のようなことを考えていました。でもそれは、単なる学問的な興味であって、現実的に自分の職業としては、ほとんど何も考えていなかったことに気がついたのです。


                それではどうするか・・・。思い悩みつつ、父の仕事部屋に入り、何気なくその作業を見ていたら、父がぽつりとつぶやいたひと言が、先の言葉でした。
                「ものをつくる仕事って、おもしろい」
                そのさりげない言葉は、滴り落ちる真っ赤な漆の鮮明な映像とともに、ぼくの胸に棘のように突き刺さり、抜けなくなりました。そしてその夜、今までは思ってもみなかった方向で、自分の将来のことをもう一度考え直してみたのです。


                翌朝ぼくは、台所に立っていた母に、
                「やっぱり美術大学に行こうと思うんだけど・・・」と、考えた末の結論を話しました。父や母が、ことのほか驚いたことは言うまでもありません。けれどこれが、自分の人生の方向が定まった一瞬なのでした。


                もちろん自分でそう決めたからといって、すぐに美大には入れるわけではないし、ものづくりの仕事が簡単にできるものでもありません。それ以後も、この仕事に就くまでは、いろいろ紆余曲折がありました。
                漆工科がある大学は極端に少ないため、ぼくは運良く入れた武蔵野美術短期大学の工芸デザイン科で、二年間、陶芸を専攻。その後、村上市の家に帰り、父に就いて、村上市の地場産業である「村上木彫堆朱」(むらかみきぼりついしゅ)を一から学ぶことになりました。そして一年後、父の奨めもあって、その技術を基本として自分独自の作品をつくり、県展や現代工芸展などに出品するようになったのです。


                数多くの失敗をし、自分自身の未熟さに苛立ちつつ、この道の奥深さを実感する日々。 父に手を引かれながら、ヨチヨチ歩きの最初の一歩を踏み出してから四十年経った今になってようやく、漆の仕事のほんとうのおもしろさがわかり、漆というものの魅力を感じることができるようになった気がします。


                とは言え、まだまだ漆については、ぼく自身わからないことだらけで、しかも「茶道」に関してはずぶの素人、茶道具のことも不勉強でほとんど知りません。ですので、この専門誌に漆に関する連載を寄稿してほしいとのご依頼をいただいた時には、はたしてみなさんに興味を持っていただけるような文章がぼくに書けるだろうか、とはなはだ不安でした。


                けれど、そんなぼくが四十年つきあってきた漆という素材は、じつに不思議な力や性質をもち、その堅牢さや独特の美しさなど、他の追随を許さないほどに優れています。しかも、古い英語で「JAPAN」は漆を指すほど、日本の漆器は、西洋人にとっても憧れの的でした。まさに日本文化を代表するもののひとつと言っていい漆について、ぜひとも多くのみなさんにその魅力をお伝えしたい。そんな思いをもつぼくが、こんな絶好の機会を得られたことは、ほんとうに嬉しくありがたいことではないか、と思い直し、謹んでお引き受けすることにしたのです。


                漆の木や液について、漆を塗る道具や技法について、色やさまざまな産地の違いについて、漆かぶれや漆器の取り扱いについて、漆器の修理、また陶器の欠けや割れを漆と金で直す「金継ぎ」というものについてなどなど、お話ししたいことはいろいろあります。できるだけ具体的に、わかりやすく書いていくつもりですが、拙い文章やもしかすると誤りなどもあるかもしれません。お気づきの点がありましたら、どうかご教示いただきたいと存じます。一年間、どうぞよろしくお願い致します。

                 

                 

                 

                 


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