3つの美術展

2019.05.08 Wednesday 20:28
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    新潟市で会議がある日は、ぼくにとっては美術展鑑賞の日でもあります。連休最終日のおととい、3つの会場を回りました。

     

    NSG美術館では、日本画家 渡辺富栄先生の「船を造る人々」と題された個展。渡辺先生は新潟県美術家連盟副理事長どうしとして、また次男が新潟高校在学時にもたいへんお世話になった方です。院展に出品された大作の数々は、圧倒されるほどの迫力があり、造船所で働く人々の群像を捉えた目は、鍛えられたデッサン力と、確かな構成力を感じさせてくれました。

     

     

     

     

    アートギャラリー万代島では、長谷川優子さんと木村富美子さんの二人展。日本画と蒔絵というそれぞれの表現技法を駆使して、まるでデュエットをするように、お互いの作品どうしが語り合い、響き合っているような、優しい雰囲気が感じられました。

     

     

    万代島美術館では、明日9日が最終日となった、ニューヨークの写真家「ソール・ライター展」。この人のことは全く知りませんでしたが、第二次大戦後のニューヨークにおいて、抽象表現主義の作家たちとも交流があり、「カラー写真のパイオニア」と称されたこの人の、造形感覚・洞察力はなんとも素晴らしい!


    なにげない自分の周囲の風景の中から、美をすくい取る感覚は、ぼくの師匠 高橋信一先生とも共通するものがあり、ぼくの心にビンビンと響いてくる作品群でした。

     

     

     

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    4つの展覧会

    2019.01.20 Sunday 19:00
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      県美連(新潟県美術家連盟)の次の理事長さんを決める会議に出たあと、万代島美術館で開かれている「国画創作協会の全貌展」を見ました。


      大正7年、当時の官展(文展)の、情実に流される審査に反発した、京都の若き日本画家たちが、国画創作協会を作り、既存の価値観にとらわれぬ、個性と自由を尊重した芸術の創造を目指して旗揚げしました。土田麦僊、小野竹喬、村上華岳ら6人のそうそうたるメンバーです。


      その活動はわずか昭和3年までの10年間という短い期間でしたが、彼らのなしえたことは、のちの日本画界にとって画期的な試みでした。その歩みを丁寧にたどることができる会場には、圧倒されるばかりの大作が並び、ことに大正デカダンスを感じさせる岡本神草の舞子や、緊張感みなぎる美しい榊原紫峰の動物画は、迫力満点です。現代の日本画壇に、これだけの作品を生み出せるエネルギーがあるでしょうか・・・。


      アートギャラリー万代島では、きょう最終日の内山玉延さんの書の個展を鑑賞。その余白空間の美しさ、センスの良さ、文字のフォルムの面白さに魅了されました。


      そして帰り道に寄った胎内市美術館では、「県展・芸展作家展」と「縄文の至宝展」。東京やパリでも展示されたという、胎内市出土の縄文漆器と、それをそっくり復元して制作した村上の塗師小田和生さんの3点の作品は、とくに興味深く拝見しました。


      優れた作品に接したあとの、なんとも言えぬ充実感、幸福感。これが、ぼくにとっては何よりの創作エネルギー源なのです。(*^_^*)

       

       

       

       

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      秋葉区美術展の審査

      2018.11.17 Saturday 20:25
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        ひろびろとした敷地の中に、ゆったりと建つ美術館・・・。
        新潟市新津美術館。あいにくの雨にもかかわらず、ほんとうに美しいところでした。


        きょうは、23日(金・祝)から開かれる「秋葉区美術展」の工芸部門の審査を依頼され、行ってきたところです。


        公募作品30点のうち、28点が陶芸、あと2つが漆芸という、ジャンルとしては少々淋しい内容でしたが、壺や皿などのほかオブジェもあり、楽しみながらつくったような作品が多くありました。


        このうちから、最優秀賞、優秀賞、奨励賞の合計5点の賞を選び、講評を執筆します。思ったより、すんなりと決めることができました。


        作者の想いが、素直に作品に感じとれるかどうか、審査はそれに尽きると思います。まっさらな心で対したときに、優れた作品は何かを静かに語りかけてくれるのです。

         

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        「縄文の造形美」展

        2018.09.23 Sunday 10:46
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          葬儀やら何やらで、なかなか行けなかった「縄文の造形美」展。明日24日で終了することから、ようやく昨日、見ることができました。


          会場は、三面ダムの近くにある「縄文の里 朝日 奥三面歴史交流館」。企画展は、糸魚川の海辺、六反田南遺跡に出土した「火焔形土器」を中心に、魚沼・村上・佐渡の出土品を交えての展示です。


          「縄文人って造形センスがあるんだなあ・・・」
          火焔形土器の力強く流麗な造形を見て、今更ながら驚嘆しました。また、石器の製作工程や使い方なども示され、とても面白くわかりやすい展示でした。


          常設展の方も、解説テープを聴きながら、ゆっくりと鑑賞。この地域がなぜ「三面」(みおもて)と言われるようになったのかとか、熊を捕るための驚くべき仕掛けとか、この地域で盛んに行われていた漆掻きの資料など、興味深いものがたくさんありました。


          自然の営みに沿った縄文人の暮らしは、厳しい反面、精神的な豊かさを感じさせるもので、つい最近まで存在していた奥三面の「マタギ」としての生活を参考にしながら、想像の翼を広げることができました。


          スタッフの和田寿久さん、良いものを見せていただき、ありがとうございました。<(_ _)>

           

           

           

           

           

           

           

           

           

           

           

           

           

           

           

           

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          新潟日報文化欄への寄稿「展覧会へようこそ」〜中村謙二展〜

          2018.08.06 Monday 20:32
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            きょう、新潟日報文化欄に掲載となった記事。
            弥彦の丘美術館と中村謙二さんご自身から依頼され、書いたものです。つたない文章ですが、この記事が、少しでも弥彦の丘美術館の集客につながればいいなあ・・・と思っています。

             

            ************* 本文全文 **************

             

            天の明るさと地の暗さとの対比が、山の稜線のシルエットをくっきりと描き出した後、ゆっくりと照明を落とした空は、やがて濃紺に染まり、星の粒を浮かび上がらせる。その静かな時の流れと鮮やかなる変化。展示室の中は、そんな夏の夕闇の情景を彷彿とさせる舞台装置のようだった。


            この美術館では9年ぶり2回目になる中村謙二さんの今回の展示は、1979年の日本現代工芸美術展初入選作「暮海」をはじめ、日展出品の3点の一曲屏風を中心として、最近の中小作品まで、綿密に調整された照明の中に、20点の漆の平面作品が整然と並ぶ。筆で描いた漆の線に金粉を蒔く「蒔絵」(まきえ)、彫刻刀で彫った線に金粉を摺り入れる「沈金」(ちんきん)、金粉の代わりに色漆を埋める「蒟醤」(きんま)、夜光貝やアワビなどを漆で貼り付ける「螺鈿」(らでん)、金属の板を埋め込む「平文」(ひょうもん)など、あらゆる漆の加飾法が、自在に駆使されているものばかりだ。


            それらは、加茂の建具屋さんの次男として生まれ育った中村さんが、漆と出会い、漆の魅力に惹かれながら、長い経験によって身につけた確かな技。「一本の線でもおろそかにするな」と教えられたという中村さんは、一つの正円でさえ、彫刻刀の角度を固定して一定の力で彫るための道具を考案する。発色を良くするために、3日かけてゆっくり乾くように漆を調整したりもするそうで、その陰には多くの工夫や研究が積み重ねられているのだ。


            天空に散りばめられた星のきらめき、アンコールワットや王冠、装身具、象形文字など歴史を感じる豊かなイメージが、まるで宇宙そのものを製図するかのように、考え抜かれた構図の上に一体となり、見る者をはるかな遠い世界へと引き込む。数多くの名誉ある賞や表彰を受け、県の工芸界の第一人者だが、そんな経歴とは裏腹に、穏やかで謙虚なお人柄、惜しげもなく技術を教える懐の深さは、作品にも反映していると感じた。


            星と星の間の暗い部分はけっして空洞ではなく、そこにも望遠鏡をかざせば無数の星のきらめきがあるように、黒の漆は、技術やイメージや作者の人間性をも溶かし込みながら、どこまでも深く、温かい。おそらくそれは、誰でもが心に持っているという宇宙、「曼荼羅(まんだら)」の世界そのものと言えるかもしれない。

             

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            護国神社雪洞絵

            2018.07.05 Thursday 19:27
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              新潟市の護国神社から、毎年揮毫を依頼される「万燈みたま祭り」用の雪洞(ぼんぼり)絵。

              ことしは、墨と透明水彩を使って、「あやめ」を描いてみました。

               

              全体に線が細くて、あまり出来がよくないけれど、まずはひと仕事終わって、ほっとしました。

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              佐藤陽一さんの作品たち

              2017.03.21 Tuesday 20:50
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                昨日は、新潟県美術家連盟の会議と懇親会があるので新潟市へ。少し早めの電車で行き、朱鷺メッセのアートギャラリー万代島にて、長岡在住の造形作家、佐藤陽一さんの個展を観る。


                最終日のため、陽一さんは奥さんと二人で会場におられた。彼と会うのは十何年ぶりだろう。奥さん共々、少しも変わってなくて、若々しかった。積もる話に花が咲く。


                お土産にこんな素敵な作品集をいただいた。会場に並べられていた作品も、はじけるように楽しいものばかり。

                 

                 

                若い頃、脱サラして始められた作品づくり。紙粘土や石を使って作られた動物たちは、たちまち大ブレークし、西武デパートなどの店頭を賑わすことになる。作風は基本的に変わらず、ますます進化し、種類が豊富になったようだ。


                彼は、作品の見せ方がじつにうまい。フクロウやウシ、ネコなどは、うちのかみさんの机に今でも鎮座して、毎日ぼくらの目を楽しませてくれている。

                 

                 

                作者も作品も、数十年前と変わっていないことに、なんだかとても大きな安心感と頼もしさを感じることができたひとときだった・・・。(*^_^*)

                 

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                4つの美術展

                2016.09.22 Thursday 19:37
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                  連休などには関係なく、思い立ったらいつでも出かけることができる自由な身。・・・とは言っても、さまざまな絡みがあり、外出にはやはりタイミングが必要だ。


                  折良く昨日は、終日外出が可能となり、台風一過の清々しい青空の下、長岡〜見附〜弥彦〜新潟と、4つの展覧会を巡ることができた。
                  (以下、それぞれの紹介は長文になりそうなので、お忙しい方はこの辺で退散を・・・f(^ー^;)

                   

                   

                   

                   

                  長岡の県立近代美術館では,ボストン美術館所蔵による「ヴェネツィア展」。イタリアのヴェネツィアは、「小さな美のポケット 第3話」にも書いたように、ぼくにとっては,若い頃、全身の血が逆流するかと思われるほどの感動を覚えた、いわば「初恋」の街。


                  当時この目で見た風景と、繁栄の絶頂にあった15〜16世紀の頃の街並みを描いた絵画にダブらせながら、想像力の翼を広げる。
                  ヴェロネーゼ,ティツィアーノ,ティントレットというヴェネツィア派3大巨匠の豊かな色彩や、17世紀のバロック絵画に通じる,光と闇の劇的な表現、ため息が出るほどに美しいガラス工芸品や織物にも魅了された。

                   

                   

                   

                   

                  見附市の市民ギャラリー「みつけ」では、「WORKS 墨と鉄」と題した,書家 内山玉延さんと彫刻家 霜鳥健二さんのコラボレーション展。1階の2つの部屋には、個展としてそれぞれの作品が並び、2階の広々とした空間には、二人のインスタレーション作品によるコラボ。


                  内山さんの抜群に美しい空間表現、霜鳥さんの錆びた鉄の表情を活かすフォルムの訴求力に圧倒される。お二人の作品から、創作のヒントをいくつもいただいた。

                   

                   

                  弥彦の丘美術館では、櫛谷一代さんによる日本画展「道標(みちしるべ)」。長い間、働く人々を描き続けてきた櫛谷さんの、「人間讃歌」とも言うべき作品群。その眼差しは、とても優しく温かかった。

                   

                   

                  そして最後、アートギャラリー万代島では、川嶋宣彦さんと木村富美子さんの二人展。
                  鳥や樹木など自然をこよなく愛する川嶋さんの鋳金作品は、金属であることを忘れさせるほどの、やわらかく,ほんのりとした優しさに満ちている。


                  精緻な蒔絵技法を駆使する木村富美子さんの作品は、艶やかな色漆と金・銀粉の輝きが,深い黒漆を背景として浮かびあがり、女性らしい細やかな感性と誠実さを、そこに感じとることができた。

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                  児童図画展覧会

                  2014.11.02 Sunday 21:38
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                    子どもの目って、どうしてこんなに素晴らしいんだろう!

                    きょうで閉幕した村上市展と同じ会場に飾られていた「児童生徒図画展覧会」。
                    粒ぞろいのアーティストたちの作品には、ぼくら大人たちが失ってしまった、きらきらした感性が光っていた。

                    いやあ、まいりました。子ども、ばんざ〜い!\(^O^)/


















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                    第2回上片町作品展

                    2014.11.02 Sunday 21:23
                    0

                       

                      一昨年に続いて2回目となる「上片町作品展」が、町内のお年寄りの会「なかよし会」の主催で、昨日、今日の2日間開かれた。会場は、町内の集会所になっている上片町地蔵堂。

                      絵画や写真、書道、お習字、編み物や洋裁、人形などの手芸品、掛け軸、俳句、木工品等々、上片町に住む、子どもからお年寄りまでの幅広い年代層の作品が、ずらりと並ぶ。同じ町内に、ものづくりを楽しむ人たちがこんなにもおられたのか、と驚くほど。

                      中には、もうすでに故人になられた方の作品や、昔の写真、平成13年に発行された「上片町三百年誌」の草稿、そして祭り屋台がつくられたときの領収書なども展示され、上片町がつくられた経緯や、地蔵堂の由来についての考察などの歴史話に花が咲いていた。

                      ただ作品を鑑賞するだけでなく、そこから派生するさまざまな話題で、近隣の人たちの、年代を超えた交流が深まるところが、こういう催しの良さのひとつではないだろうか・・・とあらためて感じた。




















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