湯呑みの金継ぎ4 刻苧(こくそ)

2009.03.14 Saturday 20:40
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    先回からきっかり1ヶ月が経った。

    もう麦漆(むぎうるし)は完全に乾いているので、塗り風呂(乾燥ムロ)から湯呑みを取り出して、次の作業をする。

    まず、そっとマスキングテープをはがす。


    はみ出した麦漆を、彫刻刀で削る。


    さらに、#400〜500位のサンドペーパーをかけ、きれいにする。(陶器の表面をペーパーで傷つけないように注意)



    穴を充填する刻苧(こくそ)を作る。刻苧は、まず「湯呑みの金継ぎ2」で作り方を解説した「麦漆」をつくり、そこに木粉(欅やつげなどの木の粉を、ふるいに掛けたもの)を少しずつ混ぜていく。


    へらで練り合わせながら、麦漆と木粉を混ぜ、飽和状態(へらに付かなくなるくらい)になったら、刻苧のできあがり。


    できた刻苧を、竹べらを使って、縁の「ほつれ」や穴になっている部分に充填していく。





    刻苧が終了。これをまた塗り風呂に入れ、3日〜1週間くらい乾燥させる。




    (次回に続く)

    湯呑みの金継ぎ5 錆付け
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    湯呑みの金継ぎ3 接合

    2009.02.12 Thursday 20:25
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      前回作った「麦漆」を使って、今回はいよいよ欠片を接合する。

      順番としては、原則として一番大きい欠片から。
      まず、つけようとする欠片だけ、仮止めしたテープをそっとはがし、接合面に竹べらでたっぷりと麦漆をつける。


      欠片の方にも麦漆を塗る。


      接着面がずれないよう細心の注意をしながら、ぴったりと接合する。



      接合したら、はみ出た麦漆をざっと掻き取る。(完全にきれいにする必要はない。漆が乾いてから削り取れるので。)


      接合面がずれていないことを確かめながら、仮止めの時使用したマスキングテープをもう一度貼り、接合面を保護する。(これを「養生する」という)


      次に隣りの欠片を同じように接合する。


      小さな欠片は、ピンセットでつまんで作業する。


      すべて接合したら、完全にマスキングテープで覆い、よくテープを密着させる。



      乾燥は、「塗り風呂」(下に濡れスポンジを敷き、中の湿度を高くした漆乾燥ムロ)に入れて、約1ヶ月そのままにしておく。
      (「塗り風呂」がない場合は、内側にビニールを貼り、濡らしてよく絞ったタオルを下に敷いたダンボール箱を代用するとよい)


      麦漆は、表面のみならず内部まで完全に乾燥させないと、強度が発揮しない。急がず十分時間をかけて乾燥させる。

      接合で一番注意しなければならないのは、接合面の「ずれ」がないようにすることである。「空気を読めない人」以上に「ずれ」は困りもの。ずれて接合されると、その後が厄介なのだ。

      (きょうはここまで。次回は1ヶ月後に・・・)

      湯呑みの金継ぎ4 刻苧(こくそ)
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      湯呑みの金継ぎ2 麦漆の調合

      2009.02.11 Wednesday 19:30
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        先回は、割れた湯呑みの欠片を確認し、組み立てて仮止めするところまで書いた。きょうは、接着に使う「麦漆」の調合について記す。

        「麦漆」(むぎうるし)とは、水で練った小麦粉と、生漆(きうるし:漆の木から採取してゴミを取り除いただけの漆液)を混ぜてよく練り合わせた漆のことである。人によっては、小麦粉の代わりに米粉や飯粒を用いた「糊漆」(のりうるし)を使う人もあるようだが、ぼくは麦漆の方を使用する。

        まず最初に、小麦粉をへらで練り板の上に少量出す。


        水を適量加える。水は多すぎないよう、加減しながら少しずつ入れる。


        へらでよく練り合わせる。



        次に生漆をへらですくい取り、板の上に出す。


        生漆は、水練り小麦粉より少しだけ多めの量。


        これを何度もよく練り合わせる。


        粘りが出るまでよく練ると、麦漆ができる。


        (きょうはここまで。次回に続く)

        湯呑みの金継ぎ3 接合
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        湯呑みの金継ぎ1 準備

        2009.02.08 Sunday 12:53
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          先日、ある陶芸家の友人から「金継ぎ」を体験してみたい、とのメールをもらった。「金継ぎ」とは、「金繕い」とも言われ、割れたり欠けたりした陶磁器などを、漆と金を使って復元する技術である。これを自分でやってみたいと思う方が意外に多いらしく、素人さん向けのキットも売り出されているようだ。



          ぼくも漆を扱っている関係で、この金継ぎをよく頼まれるが、この技術は誰かに習ったわけではなく、いろんな本を参考にしながら、自分で試行錯誤を繰り返して覚えたものである。当然ながら自己流で、これが正しいやり方かどうかはわからない。いろんな本を見ても、それぞれにやり方が全く違うのだ。

          そこで、この自己流金継ぎのプロセスをここで公開し、これからこれをやってみたい方の参考にしていただくとともに、いろんな方からご意見やご教示をいただくことにした。

          「陶磁器もいいけど、それよりもお前の顔と脳細胞を修復しろ」
          と言われそうだが、これは修復不能なのであきらめ、たまたま、父が使っていた湯呑みが壊れたので、それを材料にする。長くなりそうなので、何回かに分けて書き進めていくつもりだ。

          これがその湯呑み。幸い、欠けが全部そろっている。
              ↓

           制作者:佐渡の陶芸家、使用者:父、破壊者:母、修復者:ぼく


          まずは、接着に使う道具、材料を準備する。

          練り板、練りべら、竹べら、小麦粉、生漆、水、ピンセット、マスキングテープ

          湯呑みは、欠けを全部合わせて形を復元し、マスキングテープで仮止めをしておく。欠けの位置や方向を確認するとともに、どこから付けるかの順番を決める。


          (きょうはここまで。次回に続く)

          湯呑みの金継ぎ2 麦漆の調合

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