大物の金継ぎ完了

2017.03.02 Thursday 21:14
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    あの「大物」の金継ぎが完了。きょう新発田の依頼主の方が、受け取りに見えました。明治の頃につくられたらしい花生けとのこと


    「麦漆で接着はしてあるけれど、モノ自体に重量があるうえ、水など入れたらかなりの重さになるので、取っ手は持たずに下の方から抱えるように持ってください」と、いちおう注意はしておきました。実際、花を生けると、どんな感じになるかな・・・?


    ほかに、川崎の方の依頼によるお皿と、阿賀野市の方のお茶碗も発送。お茶碗は娘さんが作られたものだそうで、とても喜んでいただきました。


    金継ぎの仕事は途切れることがなく、依頼が舞い込みます。器を大切にされる方が多い証ですね。とても嬉しいです。(*^_^*)

     

     

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    金継ぎラッシュ

    2015.11.29 Sunday 19:26
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      嵐のように過ぎた11月・・・。
      展覧会もさることながら、自分でもびっくりポンなのは、「金継ぎ」のラッシュ。

      「いったいあなたは茶碗屋さん? 骨董屋さん?」とかみさんに笑われるくらい、今月は陶磁器やガラスと格闘していた。f(^ー^;

      皿、湯呑み、小鉢、飯椀、急須、カップ、抹茶茶碗、天使の置物・・・そしてなんと、直径50センチくらいのガラスのランプシェードまで。なんでもご両親の形見の品だとか・・・。

      今月継いだ品は、全部で27点。モノがあふれる時代に、これだけ修理の需要があるということは、それは単なるモノではなくて、そこに「心」が宿っているものが多いということなのかな。

      そんな優しい心を守るお手伝いができるって、この仕事も捨てたもんじゃないなあ・・・。(*^_^*)

























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      湯呑みの金継ぎ

      2015.01.23 Friday 23:35
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        先日、新潟の季刊情報誌「SUITO」(新潟粋人)の取材を受けた。金継ぎの作業を撮影させてほしいという。

        たまたま1ヶ月前に、あるお客様から依頼を受け、破片を接合し、下地つけを終えて、あとは金を蒔くだけになっていた湯呑みがあったので、その作業をやっているところを撮ってもらった。







        掲載されるのは、2月28日発売の「2015年春号」とのこと。 
        うちのHPをご覧になって、これを依頼されたお客様に、完成した湯呑みをお送りすると、(送られてきた金継ぎを見て)「思わず感嘆の声が出ました。最初は処分してしまおうかと思ったものですが、10年近く愛用していたのと、継いだらカッコよくなりそうとの考えで大滝さんにお願いしました。初めての金継ぎでしたが、大正解でした。また機会がありましたら、是非頼らせていただきます。」との、とびきり嬉しいメールをいただいた。

        ものを大切にされる方のお手伝いができ、まさに職人冥利に尽きる思い。この喜びが、雑誌の記事からも読者に伝わるだろうか・・・。(*^_^*)

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        湯呑みの金継ぎ6 金化粧

        2009.03.23 Monday 18:00
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          さて、いよいよ大詰めである。

          まずは、塗り風呂に2日くらい入れておいた湯呑みを取り出し、#400くらいの耐水ペーパーを使って、錆を水研ぎする。陶器の表面を傷つけないように、たっぷりと水をつけ、研ぎこむ。


          その都度、ぼろ布で水分を拭き取り、錆が研げているかどうか確認しながら、作業を進める。


          錆研ぎが終了した状態。外側


          同じく内側。



          弁柄(べんがら)漆をへらでパレットに少量出す。


          漆をやわらかくするため、テレピン油を1〜2滴たらし、


          全体が均一になるよう、へらで良く混ぜ合わせる。


          細い蒔き絵筆に弁柄漆をつけ、継いだ部分をなぞる。まずは内側から。


          続いて、外側も。錆が完全に隠れるように。



          弁柄漆による地塗りが終了した状態。


          塗り風呂(または乾燥箱)に入れて、約1時間(夏期)〜2時間(冬期)乾燥させる。(その時々の気温や湿度により異なる)



          使った蒔き絵筆は、まず筆に含まれた漆を、専用の筆洗いでそっと掻き出し、


          菜種油(サラダ油)をつけて、


          パレット上でよく油となじませるように洗い、


          同じように筆洗いで、漆が含まれた油を掻き出す。この一連の作業を3度くらい繰り返し、筆に含まれた漆を完全に洗い出す。最後に、もう一度油を含ませて、横にして収納する。



          地塗りをしてから1〜2時間経ち、生乾きになった状態で、塗り風呂から取り出す。弁柄漆が少し黒っぽく変わっている。


          綿に、金粉(金の消粉)をつけてそっと撫で、金を摺り入れる。全部すんだら、もう一度塗り風呂に入れ、2〜3日おいて十分乾かす。



          金継ぎの完了。



          これで金継ぎの方法については、ひととおりの説明を終わるけれど、自分でこれをやってみようと思われる方に、少しは参考になっただろうか。

          金継ぎって意外と工程が多くあって、たいへんなんだなあ、と思われた方が多かったのではないかと思う。

          材料や手間を考えれば、むろん専門家に任せた方が、安上がりになることは確実だが、何事も自分でやってみることで、いっそうの難しさがわかり、それゆえに面白さもあると思う。興味のある方は、ぜひ挑戦してみてほしい。
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          湯呑みの金継ぎ5 錆付け

          2009.03.19 Thursday 19:59
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            きょうの作業は、「錆付け」(さびつけ)である。

            錆とは、一般に言う金属が酸化したものではなく、水で練った砥の粉(とのこ)と生漆(きうるし)を混合した下地漆のことである。素人の方はここまでする必要はないかもしれないが、ぼくは継いだ部分が滑らかになるので、金粉をつける前の下地として、これを施している。

            まずは錆付けをする前に、先回つけた刻苧(こくそ)の余分な部分を削り、サンドペーパーをかけておく。

            先回と同じように、小刀で刻苧を平らに削る。


            #400くらいのサンドペーパーを当てて、表面をきれいにする。


            錆付けに使う道具、材料を揃える。砥の粉、水、生漆(きうるし)、練り板、練りべら、面相筆(使い古しでよい)



            砥の粉の固まりをへらの腹を使って磨りつぶす。


            少しずつ量を加減しながら、水を加える。


            砥の粉と水が均一に混ざるように、よく練る。




            生漆を加える。水練り砥の粉と生漆が約半々になるくらいの量。


            それをへらで回すようにして、よく混ぜ合わせる。




            錆のできあがり。


            できあがった錆を、接合した線に沿って、面相筆で盛り上がるようにつけていく。まずは内部から。


            続いて外側も。


            できあがり。これをまた、塗り風呂に入れて2日くらいよく乾燥させる。


            (次回に続く)

            湯呑みの金継ぎ6 金化粧

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            湯呑みの金継ぎ4 刻苧(こくそ)

            2009.03.14 Saturday 20:40
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              先回からきっかり1ヶ月が経った。

              もう麦漆(むぎうるし)は完全に乾いているので、塗り風呂(乾燥ムロ)から湯呑みを取り出して、次の作業をする。

              まず、そっとマスキングテープをはがす。


              はみ出した麦漆を、彫刻刀で削る。


              さらに、#400〜500位のサンドペーパーをかけ、きれいにする。(陶器の表面をペーパーで傷つけないように注意)



              穴を充填する刻苧(こくそ)を作る。刻苧は、まず「湯呑みの金継ぎ2」で作り方を解説した「麦漆」をつくり、そこに木粉(欅やつげなどの木の粉を、ふるいに掛けたもの)を少しずつ混ぜていく。


              へらで練り合わせながら、麦漆と木粉を混ぜ、飽和状態(へらに付かなくなるくらい)になったら、刻苧のできあがり。


              できた刻苧を、竹べらを使って、縁の「ほつれ」や穴になっている部分に充填していく。





              刻苧が終了。これをまた塗り風呂に入れ、3日〜1週間くらい乾燥させる。




              (次回に続く)

              湯呑みの金継ぎ5 錆付け
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              湯呑みの金継ぎ3 接合

              2009.02.12 Thursday 20:25
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                前回作った「麦漆」を使って、今回はいよいよ欠片を接合する。

                順番としては、原則として一番大きい欠片から。
                まず、つけようとする欠片だけ、仮止めしたテープをそっとはがし、接合面に竹べらでたっぷりと麦漆をつける。


                欠片の方にも麦漆を塗る。


                接着面がずれないよう細心の注意をしながら、ぴったりと接合する。



                接合したら、はみ出た麦漆をざっと掻き取る。(完全にきれいにする必要はない。漆が乾いてから削り取れるので。)


                接合面がずれていないことを確かめながら、仮止めの時使用したマスキングテープをもう一度貼り、接合面を保護する。(これを「養生する」という)


                次に隣りの欠片を同じように接合する。


                小さな欠片は、ピンセットでつまんで作業する。


                すべて接合したら、完全にマスキングテープで覆い、よくテープを密着させる。



                乾燥は、「塗り風呂」(下に濡れスポンジを敷き、中の湿度を高くした漆乾燥ムロ)に入れて、約1ヶ月そのままにしておく。
                (「塗り風呂」がない場合は、内側にビニールを貼り、濡らしてよく絞ったタオルを下に敷いたダンボール箱を代用するとよい)


                麦漆は、表面のみならず内部まで完全に乾燥させないと、強度が発揮しない。急がず十分時間をかけて乾燥させる。

                接合で一番注意しなければならないのは、接合面の「ずれ」がないようにすることである。「空気を読めない人」以上に「ずれ」は困りもの。ずれて接合されると、その後が厄介なのだ。

                (きょうはここまで。次回は1ヶ月後に・・・)

                湯呑みの金継ぎ4 刻苧(こくそ)
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                湯呑みの金継ぎ2 麦漆の調合

                2009.02.11 Wednesday 19:30
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                  先回は、割れた湯呑みの欠片を確認し、組み立てて仮止めするところまで書いた。きょうは、接着に使う「麦漆」の調合について記す。

                  「麦漆」(むぎうるし)とは、水で練った小麦粉と、生漆(きうるし:漆の木から採取してゴミを取り除いただけの漆液)を混ぜてよく練り合わせた漆のことである。人によっては、小麦粉の代わりに米粉や飯粒を用いた「糊漆」(のりうるし)を使う人もあるようだが、ぼくは麦漆の方を使用する。

                  まず最初に、小麦粉をへらで練り板の上に少量出す。


                  水を適量加える。水は多すぎないよう、加減しながら少しずつ入れる。


                  へらでよく練り合わせる。



                  次に生漆をへらですくい取り、板の上に出す。


                  生漆は、水練り小麦粉より少しだけ多めの量。


                  これを何度もよく練り合わせる。


                  粘りが出るまでよく練ると、麦漆ができる。


                  (きょうはここまで。次回に続く)

                  湯呑みの金継ぎ3 接合
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                  湯呑みの金継ぎ1 準備

                  2009.02.08 Sunday 12:53
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                    先日、ある陶芸家の友人から「金継ぎ」を体験してみたい、とのメールをもらった。「金継ぎ」とは、「金繕い」とも言われ、割れたり欠けたりした陶磁器などを、漆と金を使って復元する技術である。これを自分でやってみたいと思う方が意外に多いらしく、素人さん向けのキットも売り出されているようだ。



                    ぼくも漆を扱っている関係で、この金継ぎをよく頼まれるが、この技術は誰かに習ったわけではなく、いろんな本を参考にしながら、自分で試行錯誤を繰り返して覚えたものである。当然ながら自己流で、これが正しいやり方かどうかはわからない。いろんな本を見ても、それぞれにやり方が全く違うのだ。

                    そこで、この自己流金継ぎのプロセスをここで公開し、これからこれをやってみたい方の参考にしていただくとともに、いろんな方からご意見やご教示をいただくことにした。

                    「陶磁器もいいけど、それよりもお前の顔と脳細胞を修復しろ」
                    と言われそうだが、これは修復不能なのであきらめ、たまたま、父が使っていた湯呑みが壊れたので、それを材料にする。長くなりそうなので、何回かに分けて書き進めていくつもりだ。

                    これがその湯呑み。幸い、欠けが全部そろっている。
                        ↓

                     制作者:佐渡の陶芸家、使用者:父、破壊者:母、修復者:ぼく


                    まずは、接着に使う道具、材料を準備する。

                    練り板、練りべら、竹べら、小麦粉、生漆、水、ピンセット、マスキングテープ

                    湯呑みは、欠けを全部合わせて形を復元し、マスキングテープで仮止めをしておく。欠けの位置や方向を確認するとともに、どこから付けるかの順番を決める。


                    (きょうはここまで。次回に続く)

                    湯呑みの金継ぎ2 麦漆の調合

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