心の地鎮祭

2013.01.10 Thursday 19:59
0

    書道をするわけではない。
    毎朝、仕事を始める前のぼくの日課。
    ぷーんと漂う墨の香に、心がしっとりと落ち着いてくる。

    デザイナーの福田繁雄さんだったか、「毎日仕事始めに鉛筆を削る」と言っておられたが、ぼくは鉛筆を削る代わりに墨を磨る。

    硯や硯箱は、大学時代から使っているもの。
    硯はすべての角が磨り減って丸くなっている。ぼくが東京国分寺でひとり暮らしを始めた時、母の送ってくれた荷物の中に入っていた。それ以来、ずっと使っている。
    硯箱は、一度自分で漆を塗り直したものだ。

    磨った墨は、店のお客さんのためにのし紙を書いたり、手紙の宛名書きをしたりもするが、何も使わないでしまう時もある。もったいないけど、それでもいいのだ。ざわつきがちな心を落ち着かせるために、「地鎮祭」で地面に撒くお酒、みたいなものだから・・・。そう、これは、ぼくが毎日ひとりで行う「心の地鎮祭」なのだ。

    新年1月もすでに10日。明日は「鏡開き」だ。いよいよエンジン全開。
    今年も良い仕事をしたい・・・。

    category:雑貨 | by:URUcomments(2)trackbacks(0)

    携帯電話!?

    2012.02.17 Friday 21:51
    0


      ぼくは携帯電話を持っていない。・・・そう言うと大概の知人は、「ええっ!? なんで?」と一様に驚く。「女にもてないんだから、携帯くらいもてよ」と言われもする。そう、もはや携帯電話は、現代人の必携アイテムだ。

      いま急速に普及しているスマートフォンに至っては、おそらく一度手にしたら、二度と手放せなくなりそうだ。「携帯電話」というくくりを超えて、「電話もできるパソコン」と言っていいだろう。それだけ便利なことがわかっていて、なぜぼくは持たないのか・・・。いや、持たないというより、持てないのかもしれない。

      ひとつには、ぼくがそもそも「電話」というものを大の苦手にしているという事情による。

      電話に出ると上がってしまう。声がうわずる、間が空くのが怖い、一呼吸考えてから言葉を発するという余裕がない。相手の表情が読めない。マシンガンのように矢継ぎ早に声を出していかなければならないのではないか、という緊張が走る。(決してそんなことがないことは、頭でわかっているのだが・・・)

      そして何より電話は、こちらが漆刷毛を握っていようが、滅多に訪れないいいアイディアが浮かんだ直後であろうが、肉じゃがの大きなジャガイモをほおばったときであろうが、ヒロインがキスをするドラマのクライマックスであろうが、お構いなし。「まず、こっちを優先して相手になれ」とでも言うように割り込んでくる。

      そんな苦手な電話を、しかも四六時中身につけているなんて、ぼくには考えられないことだった。お節介なおばさんがいつも同伴しているみたいに、なんとなく落ち着かないのだ。

      むろんぼくが、もしも外を歩く仕事をしていれば、そんなことは言ってはいられないだろうことはよくわかる。外で仕事をする人にとって、携帯電話はなくてはならないものだ。

      だが幸いに、ぼくはほとんど1日の大部分を自分の仕事部屋で過ごす。そこには電話もFAXもパソコンもあり、頻繁にメールのチェックをしているので、今のところ特別困ることはないのだ。のんびり屋のぼくには、すぐに連絡を取らなければならない用なんてそうはない。


      ・・・と思って、今まで来たのだったが・・・。

      去年の大震災の折り、大津波が来る直前に発信した1本の携帯メールが、家族に安否を知らせることができたという例を、ぼくは身内で体験した。災害はいつ何時やってくるかわからない。そろそろぼくも考え直さなきゃいけないときかなあ・・・

      先般芥川賞を受賞した田中慎弥さんが、「携帯電話もパソコンも必要性を感じないから持たない」とおっしゃっていた。でもぼくはそこまで偏屈ではない(つもりだ)。

      持つならもちろんスマートフォンだが、もしかすると、もし持ったとしても1日のほとんどの時間、電源を切っておくことになるかもしれない。マッタクこれじゃあ意味ないね。友人たちにまた、「携帯出んわ!」と叱られそうだ。

      category:雑貨 | by:URUcomments(0)trackbacks(0)

      ぼくの新たな「宝物」!

      2012.02.13 Monday 19:07
      0


        ぼくの宝物が、またひとつ増えた!

        パイソンレザー(蛇革)に漆を塗ったコインケース。おそらくまだ誰も持ってはいないだろう。うれしくて仕方ない。

        なぜこれがぼくの元にやって来たのか・・・? それは、このコインケースの「運命」と言えるのかな。(ナンチャッテ、そんな大層なものではないだろうが・・・)

        先日上京した折、デザイナーの長谷川真弓さんと食事を共にする機会に恵まれた。彼女とは去年知り合ったばかりだが、金継ぎ、手桶の修理、そして彼女の得意分野である革に、漆を塗る試みなどを通じて親しくなり、とても他人とは思えぬほど(笑)、意気投合してしまったのだ。

        この日も、食事をしながらいろいろと話をするうち、見せてくれたのが、彼女のポケットに入っていたこの一品。まだ試作品なので、自分で使ってみているそうなのだが、折り曲げた部分なども、革に塗った漆はまったく剥げていない。

        「いいねえ」と感心したうえ、「ぼくも小銭入れを探しているんだけど、なかなか良いものが見つからなくて、今はコインを裸で持っているんだ」と言うと、彼女は「じゃ、これあげる」と、すぐに惜しげもなく、ぼくに与えてくれたのだ。

        「えっ? ほんとにいいの?」とは言ったものの、これって、ていよくおねだりしたも同然だよな・・・と後になって気がついた。真弓さんは、ホントに恵み深い、優しい人なのだ。(人にもよく「観音様」と言われる・・・と自分で言ってるから間違いない。)

        それにしても、これはじつにスグレモノ。大きさといい形といい、コインが取り出しやすく、落ちにくく、とても使いやすい。裏地にも、ゴールドの染色がしてあって、ポケットがひとつついているが、千円札を1枚忍ばせておくと、とっさのときに役立つと、これは彼女の弁。

        ともかくこれは、札束には縁がないぼくの、どこに行くにも身につけられる、最高にお気に入りの一品となった。ありがとう、真弓観音さま。


        category:雑貨 | by:URUcomments(0)trackbacks(0)

        ほっとけい(?)

        2008.05.04 Sunday 17:17
        0
          大学生活を終えた息子のアパートを片付けに行って、見つけた目覚まし時計。息子は捨ててもいいと言ったのだが、ちょっと変わっているので、家へ持ち帰って使っている。デザイン科の彼は、こうした雑貨が好きで、自分で文字盤をデザインしてつくったという。




          今は珍しくなったゼンマイ式のもので、1日に1回は、必ず後のネジを回して、ゼンマイを巻かなければ止まってしまう。至って面倒なのだが、なんとなくその面倒さがいい。それと、「コチコチコチ・・・」と、常に規則的な音を立てているところが、妙に心を落ち着かせるのだ。

          そう言えば、子どもの頃は茶の間に振り子の柱時計があって、しーんとした昼下がりや、みんなが寝静まった夜更けなどは、時計の音が、部屋の空間の静けさを強調していた。もちろん、ときおり響く「ボーン、ボーン」というのんびりした時報の音も、今はほとんど聞くことがない音である。

          「ピー」とか「ピロロロ」とかの電子音があふれている現在に比べ、時間の流れ方じたいが、あの頃はゆったりとしていたのだろうか。はるかに便利で、物事を短時間でできるようになった時代に、どうしてこんなに心の余裕が持てないのだろうか。

          昔のことを最近妙に懐かしく思うようになったぼくも、そろそろ頭のゼンマイが伸びきっているのかもしれない。
          category:雑貨 | by:URUcomments(0)trackbacks(0)

          Calender
                1
          2345678
          9101112131415
          16171819202122
          23242526272829
          3031     
          << July 2017 >>
          Selected entry
          Category
          Archives
          Recent comment
          • 2012年村上大祭 上片町の屋台巡行ドキュメント
            URU
          • 2012年村上大祭 上片町の屋台巡行ドキュメント
            haru
          • 湯呑みの金継ぎ5 錆付け
            大滝 豊
          • 湯呑みの金継ぎ5 錆付け
            Sizu
          • 湯呑みの金継ぎ5 錆付け
            大滝 豊
          • 湯呑みの金継ぎ5 錆付け
            Sizu
          • 関口智子 ヴァイオリン・リサイタル
            大滝 豊
          • 関口智子 ヴァイオリン・リサイタル
            Tomoko Sekiguchi
          • 小さな美のポケット 第6話「独り暮らし」
            大滝 豊
          • 小さな美のポケット 第6話「独り暮らし」
            吉野孝也
          Link
          Profile
          Search
          Others
          Mobile
          qrcode
          Powered
          無料ブログ作成サービス JUGEM